認可外保育、一部有料化

認可外保育、一部有料化

政府は2019年10月、3歳から5歳児を対象に公立の幼稚園や保育所の保育料を無料にしましたが、来年(2024年)10月からは、安全確保などが国の基準を充たしていない認可外保育施設の保育料が有料化されます。

こども家庭庁によれば、昨年(2022年)3月時点で、全国の認可外保育の約4分の1が基準を充たしていないとのこと。

年度途中の転園は困難で、もしも改善が進まなければ対象施設の利用者(4分の1の利用者)は最大で月額37,000円の負担が生じるようです。

この措置は、認可外保育施設の質的向上を図るための政策誘導なのでしょうが、その負担を利用者に求めるのはいかがなものか。

利用者だって、なにも好き好んで認可外を選択しているわけではないはずで、できれば認可保育施設に入所させたいはずです。

むろん、だからといって、国の求める安全基準を充たしていない保育所をそのままにしていい、というわけにもいかないでしょうから、であるならば、該当する保育所(保育事業者)に対し、基準を充たせるように無利子無担保で事業費を貸し付ける制度を設けてみてはどうでしょうか。

そのかわり、いついつまでに必ず基準を充たすように、という条件をつければいい。

既存の認可保育施設を運営している事業者からは「公平性…」が指摘されそうですが、これによって認可保育所の利用者が減るわけではないので勘弁してもらえるのではないでしょうか。

本来、保育事業は義務教育と同様にナショナル・サービスであるべきです。

デフレで実質賃金が下がり続ける社会では、共働きによりなんとか家計をやりくりしなければならない世帯は少なくない。

そうした人たちが子供を預ける際に、一方は運良く「認可」で、他方は運悪く「認可外」では、それこそ不公平です。

そもそも、26年間にもわたってデフレを放置していること自体が政治の不作為です。

政府がその気になってデフレを解消してくれるのであれば、むろん保育需要は着実に減りますが、ご承知のとおり、あいも変わらず「その気に」はなっていません。

デフレを解消する気はなく、認可保育施設を増やすにも利用者に負担を求めるのは、要するに政府がカネを使いたくないだけ。

その前提には「このままでは日本政府は破綻するぅ〜」というファンタジーがあります。

しかしながら何度でも言いますが、現在の日本政府が財政破綻する可能性はゼロ%です。

わが国は、変動為替相場制を採用し、自国通貨建てで国債を発行しています。

そんな政府がデフォルト(債務不履行)することは、逆に不可能です。