ワクチンの防御効果

ワクチンの防御効果

新型コロナワクチンの4回目の接種がはじまっています。

4回目接種の対象は、①60歳以上の方、②18〜60歳未満の方のうち国の定める基礎疾患を有する方、③新型コロナに感染した場合の重症化リスクが高いと医師から認められた方々です。

因みに、③の重症化リスクの定義はイイカゲンです。

さて、ブースター接種は何回目まで続くのでしょうか。

5回目以降は、毎年1回接種する季節性インフルエンザワクチンと同じ取り扱いにして果たして良いのでしょうか。

ご承知のとおり、ワクチンによる防御期間(防御効果)は対象となるウイルスによって異なっています。

例えば、子供のころに接種した「はしかワクチン」は生涯にわたって私たちを守ってくれています。

一方で「インフルエンザのワクチン」は毎年接種する必要がありますが、「破傷風ワクチン」の効果は約10年です。

むろんこれらは、ウイルスの変異スピードの差に拠るのでしょうが、ここからは素人なりに考察してみたい。

新型コロナワクチンについては、防御効果が実際にどれくらい続くのかは未だ判っていません。

ワクチンは、ウイルスを撃退するための適切な武器(抗体)をつくるために、特定の脅威を認識できるよう免疫システムを訓練します。

前述のとおり、はしかワクチンによる防御効果は生涯維持されているわけですが、これは麻疹ウイルスが非常に安定しているため、あまり変異しないことがやはり一因のようです。

よって、体がこのウイルスを知りさえすれば1年後であろうが、50年後であろうが、再び侵入してきたときに簡単に認識できるようになるわけです。

一方、インフルエンザウイルスは非常に早いスピードで変異するらしく、ワクチンは特定の株を認識できるよう免疫システムを訓練するのですが、次の冬が到来するころにはウイルスが全く異なるものに変化していくため防御力をあまり期待できない可能性があるわけです。

どうやら専門家たちは「新型コロナウイルスは、これらのウイルスの中間にあたる」と考えているようです。

新型コロナウイルスは、初回のワクチンで獲得した防御効果の一部を回避するのに十分なスピードで変異しました。

現在、国を挙げて接種しているmRNAワクチンは初期の株(アルファ株)をもとに開発されたものですが、それでも免疫システムはウイルスを認識して多くの感染を防ぎつつ、たとえ新たな変異株に感染しても大半の人々を重症化から守ることができているようです。

それが事実なら、どうやらウイルスの変異というものはパズルの1ピースに過ぎないことになります。

免疫システムにとって一部の感染症はより記憶に残りやすいようですが、その理由は完全には解明されていないらしい。

おそらくは、免疫システムが侵入者を撃退するために作り出す物質の違いが一つの要因ではないでしょうか。

ウイルスと戦う抗体は比較的早く失われていくらしいのですが、その一方で「T細胞」は消滅するまでより時間がかかり長く体内に残るといいます。

※T細胞とは、私たちの身体を異物から守る免疫応答の司令塔ともいうべき細胞集団であり、胸腺(thymus)でつくられるため、その頭文字を取って「T細胞」と呼ばれています。

T細胞はウイルスの細胞への侵入は防げないらしいのですが、感染した細胞を破壊することはできるらしい。

新型コロナワクチンが重症化を防いでいる理由はおそらく、そのあたりにあるのかもしれません。

むろん、素人の勘ぐりです。

なお、巷で言われている「新型コロナワクチンを接種したのに感染したぁ〜」という、いわゆるブレイクスルー感染については、移送や取り扱いに細心の注意が求められるmRNAワクチン(とくにファイザー社のワクチン)ですので、もしかすると医療機関や接種会場によってはメーカーの指示通りに接種されていないケースが多くあったのではないでしょうか。

地域によっては、ワクチン移送の際に温度ロガー(温度計)での管理を行っていない自治体すらあるのが実状です。(川崎市はちゃんと行っています)

新型コロナウイルスは今後おそらく、ヒトからヒトへ感染が続いていく一般的な感染症として残っていく可能性が高いと専門家たちはみています。

未知なるウイルスとの戦いは、まだまだ続きそうです。