それでも政府の赤字が必要!

それでも政府の赤字が必要!

きのう内閣府から5月の景気動向指数の速報値が発表されました。

足元の経済状況を表す一致指数は、前月比0.4ポイント低下し、2カ月ぶりのマイナスです。

とりわけ、半導体の供給不足による自動車生産の減少が影響しているようですが、内閣府は景気の基調判断を「改善を示している」として据え置いています。

どんな数字がでようとも、「改善を示している」とか、「持ち直しの兆しがみえる」とか、無味乾燥な言葉遊びに終止しています。

それよりも実質賃金はもっと悲惨な状況にあります。

5月の段階で、なんと14カ月連続のマイナスです。

それでも内閣府に言わせると、「(景気動向は)改善を示している…」らしい。

なお、エコノミストのなかには、実質GDPの国内需要がコロナ以前の水準を回復したことをもって、財政の引き締めを主張する者たちがいます。

確かに、ことし1-3月期(第1四半期)の国内需要(実質GDP)は年率換算で554.6兆円であったのに対し、コロナ・パンデミック前(2019年同期)の国内需要は552.7兆円でしたので、既に国内需要はコロナ前を上回っています。

しかしながら、国内需要には公的需要と民間需要の二種があります。

上のグラフのとおり、民間需要は2019年の7-9月期(第3四半期)に比べて、まだまだ10兆円以上も足りていません。

どうして2019年の7-9月期と比較しているのかと言うと、2019年の10月に消費税率が10%に引き上げられたからです。

消費税増税は、当然のことながら個人消費(民間需要の一つ)を減退させることになります。

そして、その半年後にコロナ・パンデミックが襲いかかったのでございます。

だから、2019年の7-9月期と比較するのが妥当な線だと思っています。

さて、民間需要がコロナ・パンデミック以前に比べて10兆円以上も不足しているなかで、政府が財政を引き締め、さらに支出(公的需要)を削減したらどうなるか。(今でも充分すぎるほどに緊縮ですが…)

むろん、経済が落ち込みます。

今はまだまだ政府はひたすら支出を拡大し続け、政府収支を大幅に赤字にしなければなりません。

そうでなければ民間需要の不足を補うことはできません。

政府が支出を引き締めるときは、あくまでも民間需要が加熱し過ぎたときです。

ここのところ我が国の国民負担率が2025年までに50%を超えるのではないかという問題が取り沙汰されていますが、国民負担率が上がれば上がるほどに、家計は安定的に貯蓄を増やすことができません。

安定的に貯蓄を増やすことができない家計が消費を拡大できるわけもなく、家計消費が拡大しないのであれば企業が投資(これも民間需要)を拡大するはずもない。

だからこそ政府が赤字を拡大させることで、国内需要をコロナ以前の水準に導く必要があります。