疫病パンデミックでも病床を逼迫させないために

疫病パンデミックでも病床を逼迫させないために

きのう(5月26日)、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の知事4人が「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」を再延長するよう政府に共同で要請しました。

知事らが再延長を要請する理由は、むろん変異株の脅威が増しているなかこれ以上の感染を阻止せねばならない、ということなのでしょうが、最大の理由は病床逼迫にあるのだと思います。

政府の緊縮財政路線によって病床数は減らされているものの、我が国の人口あたりの病床数は欧米に比べるとダントツに多い。

その欧米に比べ新型コロナの感染者数が桁違いに少ないのにもかかわらず、病床が逼迫しています。

なぜか?

病床はあるけれど、新型コロナ感染症患者を受けれている病院が少ないからです。

厚労省の発表によれば、5月19日の段階での新型コロナ感染症患者の入院者数は、17,372人です。

医療施設動向調査統計によると昨年7月時点の病院病床数が1,512,650床であることから、受け入れ比率はたったの1.1%ということになります。

とりわけ重症化した患者を受け入れている病院の少なさは異常です。

重症患者に至ってはなんと1,821床にすぎません。

新型コロナ感染症患者は昨日の時点で72.7万人おり、その重症化率は1.6%と言われていますので少なくとも1万人以上の重症患者がおられる計算になります。

1万に対し1,821人ですから数字をみただけでも受け入れ病院の逼迫具合が伝わってきます。

受けれている病院にしわ寄せがいっているのは、本来、受け入れるべき病院が受けれていないのが問題だと思います。

私は少なくとも、3次救急(救急救命センター)の指定を受けている全国病院のコロナによる重症患者を受け入れるべきだと考えます。

川崎市内には3次救急の指定を受けている病院が三つほどありますが、そのうち1病院は新型コロナ感染症患者を受け入れていません。

受け入れらない理由は「施設の構造上の問題」なのだとか。

であれば、国(厚労省)がおカネを出してでも構造上の問題を解決させ、受け入れさせるべきです。

疫病パンデミックは今回だけで終わるわけではなく、このさき新たなウイルスが爆発的に感染しないとも限らない。

そのとき従来の感染症病床だけでは対応できないことを今回のコロナ・パンデミックは証明しました。

ゆえに厚生労働省におかれては全国の3次救急病院に対し「重症化したウイルス感染症患者」を受け入れるように義務づけてほしい。

そのために必要な施設整備と財政的措置を国の責任において行うべきです。

もしも受け入れを拒否する3次救急病院がある場合には3次救急の指定を解除すればいい。