平時しか想定していない改革の恐ろしさ

平時しか想定していない改革の恐ろしさ

依然として終息の出口がみえない新型コロナ。

都道府県によって死者数などに差がでていますが、とりわけ大阪では悲惨な状況になっています。

ただ、大阪の場合は人災にちかい。

例えば、2022年3月24日現在、全国の100万人あたりのコロナ死亡者数は218人(12,625人÷12.545万人)ですが、大阪府の100万人あたりの死亡者数は515人(4,553人÷884万人)で、全国平均の2.4倍となっています。

一方、大阪市の100万人あたりの死亡者数をみると660人(1,816人÷275万人)で、全国平均の3倍にも及んでいます。

その原因は様々にあるのでしょうが、少なくとも「維新」政治が行ってきた「身を切る改革」の影響が大きいのではないでしょうか。

むろん、身を切られたのは市民や府民であり、市民や府民を支える公務員のほうです。

対象的に維新の党勢だけは肥え太っています。

まず、橋下徹氏が大阪府知事だったのは、2008年1月から。

次いで2011年11月からは松井一郎氏が大阪府知事に。

そして2019年4月からは吉村洋文氏が大阪府知事になりました。

2008年以降の維新改革により、大阪の行政はまちがいなく小さくなりました。

平成時代の改革競争で、全国的に各自治体が職員を削減してきたのは周知のとおりです。

川崎市も平成13年以降、約3,000人を削減しています。

ただ、大阪における削減は、その比じゃありません。

大阪維新による改革以降、18.1万人にいた職員数は15.2万人にまで削減されていますが、これは全国平均の2.2倍の削減規模になります。

なにより維新改革の罪深さは、医療や公衆衛生関係の公務員を削減しまくったことです。

新型コロナのようなパンデミックが発生した場合、公立病院の存在は極めて大きい。

川崎市がなんとかコロナ対応できているのも、本市の公立病院がしっかりと機能しているからです。

これがもし市内に民間病院だけしかなかったなら大変な事態になっていたことでしょう。

大阪維新は「身を切る改革」の基に府立病院と市立病院とを統合し、国民の命を支える公共財である「病床」を減らしたことはご存知のとおりです。

しかも上のグラフのとおり、大阪の衛生行政職員は24.1%も削減され、医師や看護師などの病院職員に至っては50.4%も削減されています。

そりゃあ、医療体制や保健所体制が逼迫するのも宜なることかな。

実は、保健所の数については神奈川県のほうが大阪府よりも少なく、神奈川県は全国でワースト1なのですが、保健師の数は少ないものの、それを行政職員でカバーしているために神奈川県は大阪府ほどには逼迫していません。

むろん「だからいい…」という話ではありません。

不確実性を前提にした有事に対応するためには、平素から冗長性を確保しておくことが重要です。

平時しか想定していない改革の恐ろしさを、維新は国民の犠牲のもとに世に知らしめたことになります。

なにより「抜本的な改革」は必ず失敗するものです。