選挙の争点は有権者が主体性をもってつくるもの!

選挙の争点は有権者が主体性をもってつくるもの!

参院選も残すところあと7日間となりました。

日本経済新聞によると、今回の参院選では「日銀による金融緩和へのスタンス」が争点となっているらしい。

『日銀の国債保有50.4% 金融緩和、広がる副作用
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB29CZD0Z20C22A6000000/
参院選で日銀による金融緩和へのスタンスが争点となっている。金融緩和が急激な円安を通じて物価高に拍車をかけるなど、足元で副作用の広がりが意識され始めたためだ。日銀が緩和の手段として買い入れた長期国債は6月下旬に発行残高の50.4%に達し、財政の日銀頼みの異常さを象徴する。経済政策のあり方そのものが問われている。(後略)』

しかしながら、今回の選挙公報、あるいは政見放送をみても、金融緩和問題について言及している候補者をみた記憶がほとんどないのですが、本当に争点になっているのでしょうか。

そもそも争点というものは、有権者自身が個々に主体性をもって決めるべきものであって、マスコミごときが勝手につくるものではありません。

あくまでも日本経済新聞が争点にしたいだけの話です。

むろん、金融緩和が円安を招き、円安が輸入物価の高騰をもたらしているという事実は日本経済新聞の言うとおりです。

ご承知のとおり、デマンドプル・インフレが進む米国では中央銀行(FRB)が利上げした一方、デフレに苦しむ日本では中央銀行(日銀)が大規模な金融緩和政策を継続しています。

ゆえに日米間で金利差が生じ、それが円安要因になっているわけです。

仮に日銀が金融緩和政策に終止符を打って「利上げ」を行なえば、理論上は円安は是正されることになります。

しかしながら、未だデフレを克服できず国内経済の低迷が続いている中での「利上げ」など不可能です。

日銀は金融緩和を続けたいのではなく、続けざるを得ないのです。

円安はエネルギー価格や原材料費を押し上げ、内需型の産業や国民の消費生活に大きな打撃を与えることから、景気を一層悪化させます。

そうなると日銀は益々もって「利上げ」を行なうことができなくなるという悪循環に陥っています。

日本経済新聞は「輸入物価高騰を抑制するために金融緩和を見直すべきだ…」と言いたいのでしょうけど、そもそもからして物価を金融政策によって制御しようという発想自体が間違いです。

どうしても日銀に利上げをさせ円安を是正したいのであれば、利上げをすべき状況に、即ち米国のようにデマンドプル・インフレにまで日本経済を持っていくしかありません。

そのためには、大規模な財政出動が必要になります。

ところが日本経済新聞は記事のなかで、日銀の国債保有率が先月下旬で50%を超えたことをもって「財政の日銀頼みの異常さ」を訴えています。

まさか日本経済新聞が「政府は日銀に頼らず、ちゃんと財政支出を拡大しろ」と言っているとは思えません。

むしろ日本経済新聞は「日銀が政府債務を引き受け過ぎているから財政支出はもう極限に達している…」と言いたいのでしょう。

だが、日銀の国債保有率が50%を超えたということは、実質的な国債発行残高が半分以下になったことを意味しているだけです。

生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価指数(コアコアCPI)が0%台で推移している今の日本においては、政府が国債を増発(財政支出拡大)できる余地は充分にあります。