OECDが各国の「ジニ係数」という指標を公表しています。
ジニ係数とは、その国の所得格差の大きさを示す指標です。
ジニ係数が「0」の場合は完全平等、すなわち国民全員の所得が全く同じ、「1」の場合は完全不平等で超絶した格差社会ということになります。
要するに数値が「1」に近いほど所得格差が大きく所得分配が偏在していることを表しているわけですが、ここで言う「所得」とは所得再分配後(税引後、社会保障受給後)の可処分所得のことを指します。
例えば、毛沢東時代のチャイナなどは、まさに「1」に近かったことでしょう。
ちなみに、統計の取得困難な北朝鮮などもおそらくは高いはずです。
直近に確認されているジニ係数の世界ランキング(2022年)をみますと、だんとつのワースト1は南アフリカでジニ係数は0.62です。
残念ながらわが日本国も下から数えたほうが早くワースト13位で、ジニ係数0.34は韓国よりも悪い。
意外に思われるかも知れませんが、覇権国であり超大国である米国もまた所得格差は大きくワースト7位にランクインしています。
米国のジニ係数は0.40で、今まさに戦争状態に突入している中東イスラエルや、働く貧困層が4人に一人とも言われているブルガリアよりも悪いのでございます。
GDP100年連続で世界第1位の経済大国であり、株価も右肩上がりを続け、Apple、Google、NVIDIAなど日本でも有名な企業の時価総額は世界トップに君臨している米国ですが、なんと今や国民の8人に一人(4,280万人)が貧困に陥っています。
米国経済はこの4年間で20%以上も物価が上昇し、平均年収は都会のニューヨークと田舎のミシシッピで2倍ちかい賃金格差が生じはじめているという。
最新のデータでは、25人に一人が毎月失業しているのだとか。
家を購入しても住宅ローンの支払い延滞するのも日常茶飯事らしい。
それだけではありません。
万引きの横行、麻薬の乱用等々により犯罪率も上昇し、「子ども一人で学校へ行かせられない」と嘆いている始末で、成人男性でも夜中に一人で歩くのは危険だとか。
ちなみに米国のジニ係数0.40は、マフィアによる麻薬の密売が横行するメキシコと同率です。
これが世界経済第1位の経済大国の姿です。
四半世紀のデフレにより国力を衰退させた日本のはるか先を行っていたはずの超大国が、なぜこのような状況に陥ってしまったのか。
日本では知識人と称されるTVコメンテーターらは、これまで口を揃えて「日本経済も米国経済を見習ってもっとイノベーションを起こすべきだ」などと言ってきましたが、彼ら彼女らはこうした現状を知らずに、ただ思いつきで発言しているとしか思えません。
米国大統領選挙の際、トランプ大統領は必死に「Make America Great Again」と訴え、日本のメディアの予想に反して圧勝しました。
そして再選後には世界中の反発を承知の上で相互関税を発動してトランプショックを引き起こしているわけですが、どうやら日本のメディアにはそれらの真の意味を正しく理解し、真実を報道するスキルがないようです。
例えば現在、Apple社の製造工場の80%以上は中国にあり、残りの20%もインド、ベトナム、ブラジルにあり、なんと米国国内ではほぼ0%です。
Apple社の従業員の25%は中国人だとも言われ、上級幹部もアメリカ人(米国生まれ)は20人中、半分程度と聞く。
つまりApple社は世界から優秀な技術者や労働者を引っこ抜いた、もはや米国の看板を掲げた「外資状態」なのです。
売上をみても、その57%は米国以外です。
これはApple社だけが特別な問題なのではなく、合わせると日本のGDPの1.5倍の時価総額になるAmazon、Google、Metaなどの巨大Tech企業も同じような状況になっているということです。
このような状況では、米国における「モノをつくる力」、すなわち国力が衰え、格差が拡大してしまうのも頷けます。
そんな米国を「見習え」と言うお〇〇さんに、テレビで発言させるのは止めてほしい。