政府債務は完済の必要なし

政府債務は完済の必要なし

今月にまとめられる「骨太の方針」(経済財政の運営と改革の基本方針)ですが、その原案には「2025年度のPB黒字化を目指す」との再目標が設定されるらしい。

そのように日本経済新聞が報道しています。

PBとは基礎的財政収支のことで、国債の元金償還と利払費を除く政府歳出、すなわち公共事業や社会保障費などの政策的経費と言ってもいいのですが、それと税収とをバランスさせることです。

これを黒字化するということは、政策的経費を税収以下の金額にせよ、ということです。

2022年と2023年の「骨太の方針」ではPB黒字化目標の言及は見送られてきたのですが、今回改めて目標堅持の方針が明確にされるとのことです。

仄聞するところによれば、財務省としてはPBよりも更に厳しい「財政収支の黒字化」を明記したかったらしい。

財政収支の黒字化となると、今度は「利払費と政策的経費を税収以下の金額にせよ…」ということになりますので、もっと厳しい緊縮財政になります。

財務省が「財政収支の黒字化目標」ではなく、「PBの黒字化目標」に妥協したとすれば、それはおそらく自民党内の積極財政派議員の頑張りがあったのだと拝察します。

とはいえ、PBの黒字化目標が再設定される以上、これまでどおりの緊縮財政に改めて法的なお墨付きが与えられてしまいます。

なにしろ「骨太の方針」は閣議決定されますので。

ぜひとも日本国民の皆様には理解してほしい。

政府債務というものは、完済する必要のない債務である、ということを。

ましてや、政府債務を返済するのに「徴税に依らねばならない…」ということもありません。

池上彰は「政府の借金は、国民から集める税金で返済しなければならない…」などと言っていますが、嘘です。

彼はテレビで平然と嘘を言う男です。

ただその嘘は、悪意なき無知から来るものです。

例えば現在においても、国債の償還期限がきたものについては新規に国債を発行し、それで同額の国債の償還を行っています。

いわゆる「借り換え」と呼ばれるものです。

借り換えのために発行した国債の償還期限がくると、再び借り換え債を発行しています。

これが永遠に続くのでございます。(ゴーイングコンサーン)

政府には、個人とは異なり寿命がないのでございます。

実際、ほとんどの先進国は、国家予算には「償還費」を計上せず、利払費のみを計上しています。

なぜなら、繰り返しになりますが、政府債務は完済しなければならないようなものではないからです。

なのに、なぜか日本政府だけが国家予算に償還費を計上し、あまつさえPB黒字化目標などという「政府債務は国民の税金で返済しなければならない」という間違った考え方を前提にした財政目標が設定されています。

実に馬鹿げています。

そもそも「円」という通貨を創造できる日本政府が、円建ての債務を返済するために、わざわざ国民から円を徴収しなければならない理由がありません。