立ちはだかる財務省という壁

立ちはだかる財務省という壁

ガソリン臭いクルマは嫌いではありませんが、クルマを主たる移動手段としている者にとってガソリン価格の高騰は辛い。

レギュラーガソリンの看板価格(円/L)が、この一ヶ月間で164円を切った日はたったの3日しかありません。

それでも私のように、リッターあたりの走行距離が比較的に長いハイブリッド車に乗る者は、まだマシなのかもしれません。

リッターあたり数キロという高燃費車に日々乗らねばならぬ人たちにとって、その負担は相当なものでしょうから。

さて、私たちが支払うガソリン料金の半分ちかくが「税金」であることはよく知られています。

上の図のとおり、ガソリン本体価格のほかに石油・石炭税、ガソリン税があり、それらの合計に対して更に消費税10%が課せられています。

税金(石油・石炭税及びガソリン税)に対して税金(消費税)が課されていることから、「ダブルタックス」として問題視されてきたのもご存知のとおりです。

しかも、ガソリン税には「暫定税率」という上乗せ分があります。

意外に知られていませんが、実は暫定分であれ本則分であれ、ガソリン税が課されているのはガソリンの製造業者であって、卸売業者やガソリンスタンドや消費者ではありません。

ガソリン製造業者は消費者から税を「預かっている」わけではなく、製造した時点で徴税されています。

要するに、店頭で販売される際にガソリン税分が価格転嫁されているに過ぎないのでございます。

ちなみにそれは消費税も同じです。

消費税は事業者に課せられた税(第二法人税)であって、事業者が消費者に価格転嫁しているに過ぎない。

ご承知のとおり、ガソリン価格が3ヶ月間、160円/Lを超え続けた場合、ガソリン税の上乗せ分(暫定税率分)の徴収がストップされることになっています。

それが「トリガー条項」です。

もしもトリガー条項が発動され、ガソリン税の上乗せ分(暫定税率分)だけでも無くなれば、価格に転嫁されることがなくなりますので間違いなくガソリン価格は下がります。

残念ながら現在、トリガー条項は凍結されています。

というか、トリガー条項は2010年の税制改正によって導入されたのですが、それ以来、一度も発動されたことがありません。

それどころか、2011年に東日本大震災が発生した際、その復興財源を確保するという名のもとにトリガー条項は凍結されてしまったのです。

昨今のガソリン価格の高騰を受け、「凍結を解除せよ」と、国会でプッシュしてきたのが国民民主党です。

これまで自民・公明・国民民主の3党で「トリガー条項に関する協議」を続けてきましたが、一昨日(2月6日)、衆院予算委員会の質疑に立った国民民主の玉木代表は、岸田総理がトリガー条項の凍結解除について明言しなかったことを受けて、3党協議から離脱する考えを表明されました。

トリガー条項凍結の解除を阻んでいる悪の根源は、むろん財務省です。

凍結解除とは、要するに「減税」ということになります。

減税は財務省の省是に反するため、彼らは価格抑制のための補助金で誤魔化しているわけです。

とはいえ、その補助金も4月末で終了の予定です。

立ちはだかる財務省の壁は、高く厚く硬い。