北朝鮮の外交変化をどうみるべきか…

北朝鮮の外交変化をどうみるべきか…

きのうの夜(午後10時40分ごろ)、北朝鮮がトンチャンリから弾道ミサイルらしきものを発射しました。

北朝鮮(国家航空宇宙技術総局)は「軍事偵察衛星であり、その打ち上げに成功した」と主張していますが、防衛省は「地球の周回軌道への投入は確認されていない」と発表しています。

相変わらず軍事的挑発を強めているものの、ここにきて北朝鮮の外交姿勢に多少の変化がみられています。

まず変化したのは「韓国」の呼び方。

北朝鮮は韓国を独立した国家とは認めていないので、これまで「南朝鮮」などと呼んでいたのですが、最近では「大韓民国」という正式名で呼称するようになっています。

融和政策へ方針転換か。

もう一つは、在外公館の閉鎖。

昨年まで北朝鮮は、国際社会との窓口の役割を果たす「大使館」や「総領事館」など53の在外公館を世界各地に設置していましたが、今月に入ってその一部撤収を表明しています。

既にヨーロッパのほか、アジアやアフリカの在外公館が閉鎖されています。

これも理由はわかりません。

在外公館の撤収は、北朝鮮が国際社会との協調を軽視して内向き姿勢をいっそう強めているようにも見えますが、ただただ財政事情の悪化が主因かもしれません。

9月には金正恩総書記はロシアを訪問していますが、ソ連崩壊以降の北朝鮮はロシアよりも中国への依存を強めてきました。

金正恩総書記が最高指導者に就任して初めて訪問したのも中国であり、トランプ米大統領との米朝協議の際、真っ先に報告に行ったのも中国です。

その金正恩総書記が、コロナ明けに最初に訪問したのがロシア(プーチン大統領)ということです。

北朝鮮がロシアに求める支援は、基本的にはミサイルや人工衛星などの先端技術、そして食糧支援などでしょう。

ロシアとの関係強化は、少なくとも北朝鮮の政治的孤立をある程度緩和しつつ、ミサイル開発や人工衛星開発を後押しすることになりそうです。

やはり、ここのところの外交政策の変化は、経済的苦境の現れなのか。

なお、金正恩総書記は今年7月にロシアのショイグ国防相と中共の李鴻忠中央委員を『朝鮮半島休戦協定締結70周年記念式典』に招き、中露との関係緊密化が地政学的に重要であることを政治的にも示していますので、北朝鮮が中国をみかぎったわけではないことを付しておきます。

むしろ、中露朝の結束が強まりつつあるとみるべきではないでしょうか。

言うまでもなく、これら3国はいずれも核保有国です。