解決策は消費税減税(廃止)の一択

解決策は消費税減税(廃止)の一択

岸田総理は「物価高騰に直面する国民に対し、税収の増加分の一部を国民に適切に還元するため、あらゆる手法を講じる」と発言していますが、どうして消費税減税という手法だけは一切触れられないのでしょうか。

ご承知のとおり、円安など輸入物価上昇に起因するコストプッシュ・インフレによって、実質賃金の下落が止まりません。

しかもその下落ぶりは、これまでのデフレに伴う実質賃金の下落よりもさらに酷く国民の貧困化が深刻化しています。

当然のことながら、短期的な解決策は物価を下げることしかありません。

なぜか岸田内閣は所得税を減税しようとしていますが、残念ながら所得税を減税したところで物価は下がらない。

減税によって物価を下げるなら、消費税の減税しかない。

どうして、こんな簡単な理屈が理解できないのでしょうか。

所得税減税には、定額減税と定率減税の二つがあります。

定額減税は納めた所得税額から一定金額を控除(還付)するものであるのに対し、定率減税は納税額から一定割合を控除するものです。

要するに、一定金額か一定割合かの違いです。

因みに、当然のことながら、定率減税のほうが高額納税者の控除金額は大きくなります。

所得税は、所得から所得控除や給与所得控除を差し引いた額、すなわち課税所得に税率をかけて計算されます。

税率は最低税率が5%で、最高税率が45%です。

因みに税率の内訳は、所得の195万円(最低課税所得)までが5%、195万円超から330万円までが10%、330万超から695万円までが20%、695超から900万円までが23%、900万超から1,800万円までが33%、1,800万超から4,000万円までが40%、そして4,000万円以上が45%(最高税率)というように、超過累進税率が適用されています。

なので、例え課税所得が1億円だとしても、所得税が「=1億円x45%」と計算されるわけではございません。

45%の適用は、あくまでも4,000万円超の部分(6,000万円分)だけです。

要するに、課税所得が4,000万円を上回れば上回るほど、全体の所得税率が45%に近づいていくという仕掛けになっているわけです。

岸田総理が定額減税と定率減税のどちらを考えているのかはわかりません。

仮に定率減税(一律で1%減)を行ったとしましょう。

そうすると、課税所得195万円の人は年間19,500円(月額で1,625円)の減税になります。

対して、課税所得4,000万円の人は年間40万円(月額で30,000円以上)近い減税となります。(ただし前述のとおり、超過累進税率であるため40万円にはならない)

それにしても、ものすごい格差拡大政策です。

高額所得者の減税額をどんなに大きくしても、食べる量、飲む量は低額所得者とそうそう変わらないので、需要(GDP)創出効果は極めて薄い。

このように言うと「消費税減税だって、高額商品を買える高所得者たちを優遇する格差政策じゃねえか…」と批判する人が必ずいますが、消費税減税の場合、高所得者であっても消費しなければ1円たりとも得をすることはできません。

つまり、消費性向が低い高所得者は、消費性向が高い低所得者層よりも得をしないのが消費税減税なのです。

もしも大幅な消費税減税が行われ、高所得者が高額商品を買ったとしましょう。

そのとき、高所得者に商品やサービスを売った生産者には、「新たな所得」(GDP)が着実に創出されています。

所得税減税の場合、高所得者には「減税されて浮いたカネ」を使わねばならない義務はありませんし、そのまま預金として放置されれば誰の所得(GDP)にもならない。

一方、消費税減税は、低額所得者にとっては着実な物価高騰対策になり得ます。

以上の観点から、政府が行うべき物価高騰対策は「消費税減税(もしくは廃止)」の一択です。