消費税は社会保障の財源という嘘

消費税は社会保障の財源という嘘

与党である自民党の中には、積極財政を推進する議員連盟があります。

一応は自民党内にも、我が国の「財政破綻論」が嘘であることをきちんと理解されている国会議員さんたちが少なからずおられます。

その議連が10月4日に「経済対策及びその裏付けとなる補正予算に関する提言」を発表しました。

提言名は「明日は今日よりよくなると誰もが感じられる国」とのことで、ネイミング的にどうかとは思いますが、中身はまともです。

すなわち、政府が進めようとしている総合経済対策(補正予算編成)に向けての提言なわけですが、真水で20兆円規模の補正予算を求めています。

またその中には「物価安定目標2%が安定的に達成されるまでの間、消費税率を5%に引き下げること」という提言も含まれているのですが、これをもって緊縮財政派(消費税増税推進派)、あるいはメディアからは「選挙目当ての大衆迎合政策だぁ〜」という批判が上がりました。

なかには「消費税は貴重な社会保障財源なのだから、減税を言うのは無責任ではないか…」という批判もありました。

どこまで、お〇〇さんなのでしょうか。

当該ブログをご贔屓にして下さっている皆様には既にお解りのことと思いますが、「消費税が社会保障の財源」というのもまた嘘です。

我が国の消費税については、ご承知とおり先月の30日まで「帳簿方式」が採用されていました。

帳簿方式とは、事業者が年度末に決算を締め、遡って消費税額を計算する手法のことです。

よって、その年度の消費税納税額は決算を締めなければ確認できないわけです。

にもかかわらず、その年度の社会保障費は既に支出されています。

つまり、後から徴税される消費税が、先に支出される社会保障費の財源になることなど物理的にありえないのでございます。

しかも、消費税は一般会計であり、他の税収と一緒に混ざってしまいますので、何に使われたのかなど確認のしようがない。

要するに「この金額は消費税分だから、社会保障支出のためにとっておこう」などということは実務的にできないのです。

どうしても消費税を社会保障の財源にしたければ、特別会計にしなければならないでしょう。

特別会計にして厚労省の管轄下に置けば、消費税は社会保障にしか使わない、ということは可能となります。

当然のことながら、そんなことを財務省が許すわけなどありませんが…

何度でも言います。

消費税は一般財源であり、社会保障の財源ではない。

そもそも税そのものが、財源確保の手段ではないのでございます。

あくまでも、税収と歳出は無関係であり、政府は税収を前提にして歳出しているわけではありません。

そして、国債残高は通貨発行残高であって、けっして将来の日本国民が返済する借金ではありません。

これらの事実が広く国民に知れ渡れば、政治課題のかなりの部分が克服されるはずです。