意外にも手強い北朝鮮

意外にも手強い北朝鮮

北朝鮮の朝鮮中央通信によれば、金正恩総書記がロシアを訪問し、プーチン大統領とロシア東部で近く会談するらしい。

これを受け、米国務省のミラー報道官は11日の記者会見で、「(ロシアのプーチン大統領が北朝鮮に)軍事支援を懇願している」と言明し、もしも武器取引を進めれば制裁を科すと警告しています。

なお、ミラー報道官は「我々はロシアによる戦争を財政支援する国や団体に制裁を科して責任を取らせると常に考えている」と発言し北朝鮮を牽制していますが、金正恩総書記にとっては何の脅しにもなっていないでしょう。

もしかすると金正恩総書記は、米国をそれほど脅威に思っていないのかもしれません。

覇権国を敵にまわす金王朝も、既に70年にわたり世界最長の共産主義指導体制となりました。

金一族は形式的には共産主義というイデオロギーに忠義を誓いつつ、自分たちが「国と国民を束ねる守護者である…」とする独自の神話により人民を強引に縛りつけるという体制をとっています。

また、彼の国では、一部のエリート支配層が体制を統制し、警察と軍隊が国民を厳しく取り締まっています。

そして金一族は彼らに報酬を与え、また時には命を脅すことでその忠誠を保っています。

体制を維持するエリート層や警察・軍隊に属する者たちと、それ以外の大多数の人民との間に超絶な格差をつくることこそが、独裁体制を維持するために必要な強力なシステムであることを金正恩総書記はよく理解しています。

人民もまた、もしも金王朝に抵抗すれば、自身の命も、家族の命も、そして子どもたちの教育も、仕事も移動手段も全て奪われることを知っています。

ある意味、独裁者としては理想的な警察国家を作り上げることに完璧に成功しているわけです。

一方、対外的には、核と弾道ミサイルを主体にした軍事力を強化し、隣のソウルはもちろんのこと、核能力さえ整えば地球をも破壊できる力で米国どころか世界をも牽制しようとしています。

北朝鮮が経済によって生み出す利益はわずかでしょうが、その大部分のカネが不釣り合いな程に、軍備と近代戦に必要なサイバー兵器などにつぎ込まれているようです。

今やハイブリッド戦争の時代を迎えています。

もしかすると、ハイブリッド戦には経済成長は不必要なのかもしれません。

ハイブリッド戦とは、軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法のことです。(防衛省定義)

例えば、国籍を隠した不明部隊を用いた作戦のほか、まさにサイバー兵器による通信施設など重要インフラの妨害、インターネットやメディアを通じた偽情報の流布など仕掛けることです。

因みに、日本国内ではネット情報を中心に、いわゆる「ワクチン陰謀論」が喧しい状況ですが、これもまた、某国の売れない「弱毒性ワクチン」の評価を相対的に高めるため、圧倒的世界シェアを占めるmRNAワクチンの評価を貶めることを目的とした某国による情報工作の結果であるとも言われています。

サイバー兵器の凄さは、それさえあれば大国と互角に戦えることです。

だからこそ、北朝鮮は指折りのサイバー兵士を育成しているわけです。

考えてみますと、金王朝が現今体制を維持していくのに、それほどの資金を必要としません。

現に今も、薬物販売や武器販売、そのほかの不正行為で金一族と支配層を養うだけの資金は充分に稼いでいるでしょうから、経済制裁など何の脅威にもならないはずです。

米国の思惑とは裏腹に、金正恩の独裁体制は崩壊の兆しはほとんどなく安定しており、このまま時間が経てば次期後継者に引き継げる可能性が高い状況にあるほどです。

多くの日本国民は、北朝鮮を経済小国・軍事過多の国として大いに舐めて見ていますが、意外にも手強い国であることを知るべきです。