貨幣回収屋と化した日本政府

貨幣回収屋と化した日本政府

2022年度の税収が71兆円台となり、3年連続で過去最高を更新したとのことです。

2021年度は67兆378億円でしたので約4兆円も伸びています。

所得税、法人税、消費税、それぞれ増収になったようで、一般会計の決算剰余金は2.6兆円規模となるらしい。

決算剰余金とは、税収の上振れなどで生じた歳入の増加を、使う見込みがなくなった分などを計算して余ったおカネのことです。

要するに、予算措置したものの使い切れず、翌年度にも繰り越さなかった余ったおカネです。

いわば「浮いたカネ」ですね。

政府は、このうち約半分となる1.3兆円程度を防衛費に回すようです。

さて、このニュースを聴いて多くの国民は「税収が増え、財源確保できてよかったではないか…」と思うかもしれない。

国民はいいのですが、議員バッチをつけた人たち、首長、役人、メディアの人たちまでもがこのような感覚をお持ちになられては困ります。

政府は支出によって貨幣を供給し、徴税によって貨幣を回収(消滅)しています。

よって、民間部門(家計・企業)に貨幣を残し、取引や貯蓄の手段として流通させるためには…

「支出(貨幣供給)> 税収(貨幣回収)」

…でなければなりません。

これを財政赤字と言います。

即ち、政府が財政赤字であることは、何ら問題視することではなく、むしろ正常な状態なのでございます。

前述のとおり、2021年度は67兆378億円だった税収が、2022年度は約71兆円となり約4兆円も伸びていますので、昨年度に比べて政府は国民から約4兆円多く貨幣を回収したことになります。

これでは、デフレなど脱却できるわけがありません。

なお、さらに問題なのは、2.6兆円規模となる決算剰余金の使い道です。

財務省としては、その約半分の1.3兆円を防衛財源に、もう半分は借金の返済に回したいらしい。

まず、決算剰余金の一部を防衛財源に充てたということは新たな貨幣発行ではありません。

ましてや借金返済ということは、貨幣消滅そのものです。

ご存知のとおり、今の日本経済は貨幣を消滅させていいような状態にはありません。

むしろ増やさなければならないときです。

財務省は、他の省庁が予算要求してくるに際して、その費用と便益について厳しく査定します。

「その事業に、どんだけの費用対効果があるねん?」みたいに。

川崎市の財政局などもそうでしょう。

であるならば、財務省もまた借金返済による「費用と便益」について国民に対し説明するべきではないか!

デフレとコストプッシュ・インフレが併存している今の日本経済において「貨幣を消滅させること…」の経済効果をきっちり説明すべきです。

何度でも言います。

通貨を創造できる政府が、その通貨建ての債務を返済するのに、その通貨を国民から徴収しなければならない理由はありません。