太陽光発電の普及は大規模停電リスクを高める

太陽光発電の普及は大規模停電リスクを高める

太陽の光という無限のエネルギーを電力に変換する太陽光パネル技術は、温室効果ガスの削減等への期待もあって注目を集めてきました。

これを普及しようと、例えば新築物件への設置を義務化する自治体も増えています。

川崎市もそうです。

日本のエネルギー戦略を提言している第6次エネルギー基本計画をみますと、太陽光発電の導入目標は14〜16%となっており、今後、日本の電力の2割弱は太陽光発電が担うという計画になっています。

現在の日本のエネルギー源は、その多くが海外から輸入される化石燃料です。

そして我が国の電気は、その約7割が化石燃料を燃やすことで発電する火力発電でつくられています。

ご承知のとおり、火力発電は燃料を燃焼させる熱エネルギーを電気エネルギーに変換するために温室効果ガスを排出します。

そこで、エネルギー輸入の必要性もなく、それでいて温室効果ガスを排出しない「太陽光発電」への期待が高まったわけです。

しかしながら、太陽光パネルが普及しすぎたがゆえに発生する電力問題に、大いに悩まされている国が既に出ています。

その国とは、お隣の韓国です。

韓国もまた2019年4月に韓国・産業通商資源部が第3次エネルギー基本計画(草案)を発表し、2040年までに同国の再生可能エネルギー比率を35%にする目標を掲げています。

その中でも太陽光発電は「発電力の拡大…」が目指されており、2030年までに30.8GW(ギガワット)の太陽光発電システムを導入する計画になっています。

因みに、1GWで原発1基分と言われています。

つまり韓国は、原発31基分の電力を太陽光発電で発電するというプランを立てたわけですが、その結果、韓国では太陽光発電による発電が日に日に伸び、国際エネルギーシンクタンクであるエンバーによれば、5月の韓国の発電量に占める太陽光発電の割合がはじめて7%を超えたらしい。

2016年には1%にも満たなかった太陽光発電の割合が2021年には4%を超え、2022年には7%を超える月もカウントされるなど、その勢いには目を見張るものがあります。

2030年の目標を考えますと、これからは今以上に太陽光発電システムの敷設を行っていかなければならないという。

ところが韓国では、急激に増え続けた太陽光発電システムに電力システムが対応できないという問題が露見しています。

とりわけ韓国は政策として小規模太陽光発電、別名ミニ太陽光の普及を促進させてきましたため、100キロワット未満の小規模太陽光発電は直近5年で2倍以上に急増し、あらゆるところに太陽光パネルを設置してきたのですが、小規模太陽光発電に対する管理・監督体制の構築がうまくいっていないようで、電力の過剰供給によって大規模停電を引き起こしてしまうリスクに直面しています。

ことし3月以降、そうした現象が続いているらしく、昼間の電力生産で太陽光が占める割合は30%を超えているという。

日本でも同様の事態が既に発生しています。

大手電力会社が再生可能エネルギー事業者に一時的な発電停止を指示する「出力制御」が急増しています。

この問題に加え、韓国ではミニ太陽光をあらゆる場所に設置して小さな電力をかき集めてきたため、その発電コストが高騰してしまい、今や太陽光の発電コストは原発の発電コストの4倍になっているという。

実にバカげたお話しです。

具体的事例として、韓国の南西部にある全羅道においては太陽光の発電容量が原発10基分に達するとされています。

この発電量は確かに大きいのですが、気候の変化や日照条件の変化によってピーク時には原発10基分の発電量に至ることから、調整が効かないために一気に供給過多となり電力網が崩壊してブラックアウトする可能性に常に怯えていなければならない状況にあります。

当該ブログでも繰り返し述べているところですが、電力システムというものは、たとえ発電量が多すぎても大規模停電してしまうのです。

電気は生産(発電)と消費が同時に行われ、基本的に貯めることができません。

刻々と変動している電力消費に合わせ、供給する電力量を常に一致させ続ける必要があります。

需要に対して供給が多すぎると、即ち電気が余りすぎると周波数が上昇します。

周波数が保てなくなると、電気を使用する設備への悪影響がでるほか、最悪の場合は大規模停電発生の要因となってしまうのでございます。

このように、太陽光の最大の弱点は発電量をヒトがコントロールできないところにあります。

考えてみてほしい。

天気が良い日中はガンガン発電できますが、夜間や天気の悪い日には発電量が極端に落ちます。

電力会社は、そのほかの方法で発電された電力と太陽光発電で発電された電力とをトータルして常に需要と供給が一致する状態に調整していますので、太陽光発電がガンガン発電しすぎれば、この調整が追いつかず、結果として供給過多に陥ってしまうのも当然です。

とくに、太陽発電のピークは昼間ですが、その時間帯は電力需要が最も少ない時間帯に当たります。

むろん、こうした問題は韓国だけではなく、我が国を含め太陽光が盛んな地域では共通の悩みとなっています。

そもそもからして、気象条件に左右される発電システムはベース電源には成り得ないものと考えます。