先日の川崎市議会予算審査特別委員会において、水道料金の考え方について質問しました。
水道は、市民生活や都市活動を支える基盤的なインフラです。
その料金がどのような原則に基づいて決められているのかは、本来、市民にとって重要なテーマであるはずです。
しかし、水道料金制度は専門的で分かりにくく、議会でも必ずしも十分に議論されてきたとは言えません。
そこで今回、水道料金制度の基本的な考え方について市の認識を確認しました。
市の答弁によれば、水道料金は使用量などの客観的な基準に基づいて決めるべきものであり、どのような目的で水を使うのかという「使い方」によって料金を変えることには慎重であるという考え方でした。
ところが、川崎市の水道料金制度には、公衆浴場の料金区分が存在しています。
これは銭湯が公衆衛生の維持という社会的役割を担っていることを踏まえ、歴史的に料金上の配慮が行われてきたものです。
もし水が純粋な商品であるならば、本来は用途によって料金が区分されることはありません。
商品である以上、料金は基本的に使用量によって決まるはずです。
現実には、公衆浴場という用途区分が制度として存在しているからです。
つまり、水は単なる商品として扱われているわけではないのです。
水道料金は、商品の価格ではなく、社会制度として設計された公共料金だからです。
これは、水道料金制度の中に、水使用の社会的機能という考え方が既に入り込んでいることを示していると言えます。
そもそも水道法第1条では、水道事業の目的は「清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与すること」とされています。
つまり水道事業は、単に水という商品を供給する事業ではなく、公衆衛生と生活環境を支える社会インフラとして設計されているのです。
そのように考えるならば、水の使用を単なる消費として扱うのではなく、その社会的機能に着目して制度を考えるという視点も、決して不自然なものではありません。
例えば飲食店は、食品衛生を確保し、市民の食生活を支える存在でもあります。
飲食店で使われる水は、単なる営業用の消費ではなく、公衆衛生の維持という側面を持っています。
また、感染症対策などの場面では、手洗いや衛生管理の徹底など、水の使用そのものが公衆衛生を守る役割を果たすこともあります。
このように考えると、公衆衛生の維持に実質的に寄与しているとみなされる水使用については、料金制度の中で一定の評価を行うという考え方も、政策論としては十分に成り立ち得るのではないかと考えます。
実際、公衆浴場についてはそのような考え方が制度として存在しているからです。
もちろん、水道料金制度は公平性や事業の持続可能性など、様々な要素を踏まえて設計される必要があります。
しかし、水の使用が持つ社会的機能という観点から、どのような制度設計が望ましいのかという議論は、今後の水道政策を考える上で一つの重要な論点になり得るのではないでしょうか。
今回の質疑では、水道料金制度の考え方について、制度の整理につながる興味深い答弁をいただくことができました。
水道料金とは何かという問いは、単なる料金の問題ではなく、水という社会インフラをどのような思想で支えていくのかという制度の問題でもあると言えます。
今後も水道料金制度のあり方について、市議会においてさらに質問を重ねてまいります。


