2月26日、食料品の消費税ゼロを掲げる「社会保障国民会議」の初会合が開催されました。
出席したのは自民党、日本維新の会、チームみらいです。
政策決定の責任所在に不安を抱く中道と国民民主は参加を見送っています。
参政党など、消費税そのものの問題点を指摘する野党は呼ばれていません。
この時点で、この会議の射程は明確です。
つまりこれは、消費税を議論する会議ではありません。
消費税を前提にした制度調整の会議です。
同日、高市首相は参議院代表質問で「消費税は社会保障の重要な財源」と答弁しています。
これはマーケットと財務省へのシグナルとして理解できますが、もし本当に「消費税=社会保障財源」だと考えているなら、内閣が掲げる「責任ある積極財政」は、入口の認識からして危うく、結局は「財源論」に縛られたまま終わる可能性が高いと思います。
なぜなら、財源論に立った瞬間、積極財政は必ず制約されるからです。
そもそも租税は財源ではありません。
通貨を発行できる政府にとって租税とは、通貨需要を支え、インフレを調整し、景気や所得分配を調整する装置です。
「消費税は社会保障財源」という言葉は、政治が自ら家計簿に閉じこもる宣言に等しい。
この認識のままでは、日本は投資を増やせません。
そして、消費税の本質はここにあります。
消費税は最終消費者が払う税ではありません。
企業の粗利を削る税です。
粗利とは、賃金、投資、減価償却、内部留保の源泉です。
ここを削れば何が起きるか。
賃金が上がらない。
非正規化が進む。
投資が止まる。
そして需要が弱くなります。
失われた30年は偶然ではありません。
制度の帰結です。
今回の「食料品ゼロ%」も同じです。
一見すると家計支援ですが、制度構造は逆方向に作用します。
外食の課税売上の税率は10%のままです。
一方で食料品などの仕入課税は0%になります。
しかし、ゼロ%になったからといって店頭価格が同率で下がる保証はありません。
価格は制度ではなく市場で決まるからです。
結果として何が起きるか。
飲食店は仕入税額控除が縮みます。
売上は10%課税のままです。
つまり、
10%(売上課税)−0%(仕入課税)=粗利への課税
制度構造としてそうなります。
これは実質増税です。
食料品ゼロ%は、飲食店にとって制度的リスクを伴う政策なのです。
ここに気づいていない議論が多すぎます。
そもそも消費税は、
・消費への罰金
・格差拡大型税制
・実質賃金を下げる装置
・投資を抑制する装置
・輸出企業に有利に働き得る制度(食料品ゼロ%にした場合、食料品メーカーにも還付される)
です。
消費税を財源だと考える限り、積極財政は成立しません。
これは立場の問題ではなく、制度の問題です。
ちなみに、高市内閣が掲げる積極財政は、世間が想像するような拡張財政ではありません。
高市財政が想定しているインフレ率はGDPデフレーターベースで、わずか1.6%です。
それでもなお「責任ある」と冠する。
この言葉が示しているのは、財政の制約というより、政治の心理的制約です。
政治が責任を負う相手はマーケットではありません。
そして税制は、国民経済を方向づける制度です。


