きのう、私は川崎市議会の一般質問に立ち、川崎市役所の時間外労働の実態について明らかにしました。
これまで本市では、「働き方改革」や「業務効率化」を掲げ、長時間労働の是正に取り組んできたと説明されてきました。
しかし、今回の一般質問を通じて示された数値は、そうした説明とは大きく乖離する、極めて深刻な実態でした。
令和6年度において、時間外労働または教員の時間外在校等時間が年720時間を超えた職員は1,373人、年1,500時間を超えた職員は21人、そして年2,000時間を超えた職員が1人存在していることが、市の公式答弁により明らかになりました。
さらに内訳を見ると、年720時間超の職員は、市長事務部局で117人、教育職員で1,179人、その他の任命権者で77人に及んでいます。年1,500時間超は教育職員が20人、その他の任命権者で1人、年2,000時間超は教育職員で1人という状況でした。
これは「一部の例外的事例」として片付けられる規模ではありません。
とりわけ看過できないのは、こうした長時間労働が、単年度の突発的事象ではなく、複数年にわたり状態化している点です。
教育職員については、年480時間を超える時間外在校等時間の職員が、令和6年度だけでも2,999人に上り、最大値は2,008時間を超えています。
市職員全体でも、最大で1,570時間を超える時間外勤務が確認されています。
私は、この実態を前にして、長時間労働の原因を「個々の職員の努力不足」や「意識の問題」に帰することはできないと、繰り返し指摘しました。
公務は、法定事務や恒常業務が中心であり、業務量そのものを現場の頑張りで吸収し続けるには、明確な限界があります。
副市長答弁では、「危機感を抱いている」との認識が示される一方で、長時間労働が常態化している原因については、「すべてを把握できていない」「今後さらに分析が必要」との説明にとどまりました。
これは裏を返せば、年1,500時間、2,000時間という異常な長時間労働が発生していながら、その原因が組織として十分に分析・整理されていないという事実を示しています。
本来問われるべきは、
・職員定数の考え方
・業務量と配置基準の整合性
・現場マネジメントのあり方
といった、組織運営そのものの問題です。
市長答弁では、「看過できない状況である」との認識が示され、管理職や職員へのヒアリングを行い、是正に向けた対策を講じるよう指示するとの骨子が示されました。
しかし、単なる注意喚起や精神論では、この問題は解決しません。
長時間労働は、職員の健康を損なうだけでなく、判断力の低下を招き、市民サービスの質そのものを低下させます。
また、将来の人材確保や組織の持続可能性という観点からも、極めて重大な問題です。
今回の一般質問で明らかになったのは、「現場が限界まで耐えてきた結果」として、数値に現れた組織の歪みです。
今後は、この実態を直視し、業務そのものの見直しとともに、人員配置や定数管理の考え方を含めた、組織運営の根本的な再検証が不可欠だと考えています。
私は引き続き、数字と事実に基づき、川崎市役所の働き方の問題を構造的に問い続けていきます。


