きのうの自民党総裁選挙は、私の予想を良い意味で裏切り、高市早苗新総裁が誕生しました。
自民党として初の女性総裁であるとともに、首班指名により総理大臣に選出されれば、我が国初の女性総理が誕生することとなります。
まさに歴史的な転換点です。
高市新政権は、財務省が主導してきた緊縮財政路線とは一線を画し、積極財政へと舵を切ることになろうと考えます。
むろん、それは日本経済の長期停滞を打破し、国民生活を豊かにするために不可欠の政策転換ですが、その道のりは決して平坦ではありません。
なぜなら、財務省派を中心とする既存の抵抗勢力が、あらゆる手段を用いて立ちはだかることは必至だからです。
なお、私が高市政権に期待することは、財務省主導の緊縮財政政策を一新するとともに、それにとどまらず、敗戦利得者政治に依拠してきた自民党体制からの脱却です。
この「敗戦利得者体制」に根を張る官僚機構、経済界、メディアといった勢力は、強固に結びついて既得権を守ろうとするでしょう。
彼らにとって、積極財政や敗戦体制の見直しは、自らの支配構造を揺るがす脅威そのものだからです。
したがって、高市新総裁の誕生は単なる「人事刷新」にとどまりません。
むしろ、戦後日本政治における構造的な対立が、ついに表面化した出来事であると捉えるべきです。
振り返れば、かつて小泉純一郎氏が「自民党をぶっ壊してでも改革を断行する」と叫びましたが、その帰結はご承知のとおり、敗戦利得者政党としての自民党をますます強固にし、亡国の「構造改革」を推進しただけでした。
高市新政権がこの難局を乗り越え、真の政策転換を成し遂げられるかどうか。
それは、日本が未来に向けて本当に変革の道を歩み出せるか否かを決定づける、大きな試金石となります。
抵抗が激しければ激しいほど、その政策が既得権を揺さぶるものであることの証左であり、変革の必要性を物語っています。
その意味で、高市新総裁には大いに期待したいところです。
そして何より、その戦いを支えるのは、心ある日本国民一人ひとりにほかなりません。
ただし、敗戦利得者体制から本当に脱却するためには、最終的には「占領憲法」をいかに処理するかという問題に行き着かざるを得ない。
さすがにそこまでを高市新総裁に期待するのは酷かもしれません。