米国様への貢物は消費税で

米国様への貢物は消費税で

今月9日、米国は日本を含む60の国や地域を対象に、いわゆる「トランプ関税(相互関税)」を発動しました。

日本に対しては24%の関税を課すとしていますが、むろん対象にならない品目もあります。

ホワイトハウスが発表したファクトシートによれば、既に25%の関税が発動されている自動車のほか、やはり既に25%の関税が課されている鉄鋼製品やアルミニウム、それに加えて今後発動されるであろう自動車部品、銅、医薬品、半導体、木材、金や銀などの地金、アメリカ国内では入手できないエネルギーや鉱物などは相互関税の対象にはしないという。

これらの条件を示した上でトランプ政権は、「90日間は措置を停止してやるから、そのかわり貢物を持って交渉に来い」と言っています。

それを受けて今週、2回目となる日米の閣僚交渉が行われる予定です。

交渉にあたり赤澤経済再生相は「米国経済にとって日本からの投資促進はメリットがある…」などと説明しているらしいのですが、むろんそれだけでトランプ政権を納得させることは不可能でしょう。

といって、米国産コメ輸入の拡大とかを差し出すのは止めてほしい。

最も効果的な貢物は、何と言っても消費税の廃止(もしくは減税)です。

なにせトランプ大統領自身が「日本の消費税は輸出補助金であり非関税障壁だ」と言ってくれているのですから、「わかりました。直ちに非関税障壁である消費税を廃止(もしくは減税)させて頂きます」と応じればいい。

むろん、消費税を廃止したところで、デカくて、左ハンドルで、燃費が悪くて、ディーラー網すら整備されていない米国の自動車が日本国内で売れることなどあり得ないでしょうが、日本の消費者には大きなメリットです。

日本国内で損をするのは、消費税の還付金(輸出戻し税=輸出補助金)を失ってしまう輸出産業ぐらいです。

消費税が廃止されると政府は28兆円の税収を失いますが、そもそも政府の赤字は国民の黒字なので一向に構わない。

もしも消費税が廃止(もしくは減税)になれば、多くの国内事業者は販売価格を引き下げることになり、仮に価格を据え置く事業者がいたとしても、それはそのまま事業者にとって非課税利益になります。

なので、仕入先に対しても「少し価格を上げていいですよ」という事業者も現れるでしょうから、その場合は仕入先もまた得をします。

このように消費税の廃止(もしくは減税)は、国内の事業者に対して「誰に得させるか」の選択肢を与えることになります。

そして何より、輸出戻し税が無くなる、もしくは削減されることで輸入相手国(米国様)が得をします。

これほどのWin-Win(ウィンウィン)な貢物はない。

立憲民主党以外の野党は全て消費税減税に賛成していますので、例え少数与党であっても自民党さえその気になれば消費税減税は十分に実現可能です。