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文化をも破壊する緊縮財政(PB黒字化目標)

1月17日、経済産業省から『商業動態統計』の11月確報が発表されました。

当該統計をみても、消費税増税(8%→10%)による悪影響が明らかになっています。

とりあえず、小売、自動車、卸売業について、以下のとおりグラフにしてみました。

小売

自動車

卸売業

卸売業に至っては、増税前からマイナスが続いており、更に増税によって決定的なマイナスに落ち込んだことがわかります。

なにせ今回は、これまでとは異なり景気後退期での消費税増税でしたので…

なおポイント還元、税率据え置きなどの措置が6月で終了することから、7月からは実質的な再増税です。

加えて五輪不況があり、来年度からはこともあろうに国債発行額を減額するという。

そら恐ろしい。

要するに、政府支出を引き締めるわけです。

プライマリーバランスの黒字化、という愚かなる家計簿目標が諸悪の根源です。

行財政と家計簿を同一視し、緊縮財政を正当化するのはやめてほしい。

緊縮財政は国民を貧しくするのみならず、文化をも破壊していきます。

つい最近まで、京都に築280年にもおよぶ、とある「京町家」がありました。

『富永屋』という旅籠です。

ここを最後の将軍・徳川慶喜も泊まり、日本全土を測量する最中に伊能忠敬も泊まりました。

富永屋は、つい最近まで現役で宿泊施設として利用されてきた、まさに歴史的価値の高い文化財といっていい。

これまで所有者は、この貴重なる文化財をなんとか後世に遺したいという強い思いで建物を辛抱強く修繕し維持してきました。

ところが、老朽化に加え、昨年の台風19号による被害等もあって、いよいよ維持運営するための費用を捻出できなくなったのだとか。

そこで所有者は京都市に相談をし、できれば京都市で建物を維持して貰えるように交渉してきたようですが、残念ながら折り合いがつかず、このたび取り壊しとなったわけです。

むろん、老朽化した京町家の問題はここだけではありません。

ここ数年、伝統を誇る京町家が取り壊され、マンションやホテルを建設するという計画が相次いでいます。

京都市によれば、年間平均で約800軒の京町家が解体され、日々、京都の美しき景観が失われているわけです。

2016年度時点で約4万軒ある京町家は、この7年間で5,602軒も減ったらしい。

因みに、日本最古の京町家として知られてきた『旧川井家住宅』も既に2018年に取り壊され更地になっています。

京町家は、いわば日本の町家の原型です。

その原型となっている代表的な建物が一つ一つ消えていくのは、日本にとっての大きな損失です。

むろん、京都市も京町家の改善や修繕に上限250万の助成金をつけたり、活用を希望する業者への紹介などの「マッチング制度」を行ったりするなどの対策を講じていますが、根本的な解決に至っていません。

政府と同様に、京都市もまた地方財政法や地方財政健全化法に基づく厳しいプライマリーバランス黒字化目標を掲げています。

よって、京町家を保存するための財政支出をするとなると、その分、他の財政支出を削らなければなりません。

プライマリーバランスの黒字化とは、そういうことです。

国や地方行政がプライマリーバランス黒字化に走る限り、国民の貧困化、日本文化の破壊は止まらず、我が国はまちがいなく発展途上国と化します。
2020/01/19

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