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縮小型の経常収支の黒字

昨日(1月14日)、財務省から国際収支状況の速報が発表されました。

それを日本経済新聞は次のように報じています。

『経常黒字75%増加  11月、貿易赤字が縮小
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO54354350U0A110C2EAF000/
財務省が14日発表した2019年11月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆4368億円の黒字だった。黒字は65カ月連続。黒字幅は18年11月に比べ75%拡大した。貿易収支の赤字幅縮小や、第1次所得収支の黒字幅拡大が寄与した。(後略)』

普通の人がこれを読めば、「消費税増税による悪影響は一時的なもので、けっこう景気いいじゃん!」と、受け取られるにちがいない。

しかし皆様、騙されてはいけません。

そのカラクリをご説明します。

まず、経常収支とは何か。

経常収支は、次の4つの合計のことです。
①貿易収支(財貨の輸出と輸入の差し引き)
②サービス収支(サービスの輸出と輸入の差し引き)
③第一次所得収支(海外との報酬・利子・配当などの差し引き)
④第二次所得収支(海外への無償援助などの差し引き)

昨年の10月、そして11月と経常収支が伸びたのは、①の貿易収支の黒字が増えたからです。

では、なぜ貿易収支の黒字が増えたのでしょう。

残念ながら、輸出が増えて黒字になったわけではありません。

下のグラフのとおり、むしろ輸出は減っています。

おそろしいことに、輸出が減った以上に輸入が減ってしまったのです。

貿易収支

その結果として貿易収支の黒字が増えただけです。

輸入が減った理由は?

むろん内需が落ち込んでいるからです。

なので、日本経済新聞が嬉しそうに記事にするほど、全く喜べた話ではないのです。

これを「縮小型の経常収支の黒字」といいます。

要するに、タダでさえ不景気なのに、それに追い打ちをかけるように消費税を増税(8%→10%)してしまったがために、内需(消費と投資)が完全に死にかけていることを「経常収支」が示しているわけです。

それを日本経済新聞は「黒字は65カ月連続。黒字幅は18年11月に比べ75%拡大したぁ〜」とやる。

例えば、もし輸入がゼロになると、経常収支はの黒字は一気に跳ね上がることになりますが、それでも日本経済新聞は喜んで記事にするのでしょうか。(本気でやりそうで恐い)

ついでながら…

日本経済新聞は「安倍政権が事業規模26兆円の経済対策を決定したからGDPを実質で1.4%程度押し上げる効果が見込まれるぅ〜」と、これまた嬉しげに報道していますが、考えてもみよ、本当に政府が26兆円支出するなら、GDPは5%程度は増えるはずです。

この新聞は「どうして1.4%なのか」という疑問を報じない。

要するに、26兆円の大部分は融資枠の拡大など民間がこのくらいは使うだろうという予測が含まれており、いわゆる「真水」と言われる政府の財政支出はわずかなのです。

どうやら真水は、今年度補正で約4.6兆円、来年度本予算で約8兆円が見込まれていますが、来年度の約8兆円には地方自治体の支出分も含まれています。

即ち、川崎市のような超緊縮自治体は必ずしも支出するとは限りません。

なのに日本経済新聞は、あたかも政府が財政支出を大盤振る舞いし経済を押し上げるかのような印象操作を行う。

実に悪質な新聞だ。
2020/01/15

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