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空母打撃群は覇権国の象徴

空母打撃群

空母を中心に巡洋艦や駆逐艦や潜水艦を編成し、空母のもつ航空戦力を主戦力にして軍事的任務を達成する部隊を「空母打撃群」と言い、かつて我が大日本帝国はこれを「空母機動部隊」と呼んでいました。

世界広しといえども、大東亜戦争当時において、この空母機動部隊を持っていた国は日本と米国の二カ国しかありません。

米国の空母機動部隊は日本がつくったものを見真似してつくったものでしたので、空母機動部隊はもともと日本独自の戦力ユニットでした。

例えば英国は空母を保有してはいたものの機動部隊は持っていませんでしたし、ドイツは空母すら持っておらず、ソ連に至ってはまともな海軍すらありませんでした。

戦後教育(敗戦国史観教育)を受けてきた今の日本人には信じ難いことかもしれませんが、大東亜戦争当時の日本(大日本帝国)は経済力と軍事力の両面においてまごうなき立派な大国だったのです。

ゆえに、日米戦争は世界二大大国同士の「戦争」だったと言っていい。

とりわけミッドウェイ海戦は、残念ながら愚将・南雲忠一のせいで大敗を喫してしまったものの、まさに空母機動部隊同士のガチの衝突だったのです。

そもそも文明国でなければ海軍をもてないため、有色人種国で海軍を保有していたのは日本だけでした。

考えてみれば、白人国家数国を相手に日本一国だけで戦ったのですから、それだけで凄いことです。

さて、前述のとおり「空母機動部隊」は、今では「空母打撃群」と名称が改められ運用されています。

いまもってなお、空母打撃群は軍事的にも政治的にも最強の戦力ユニットであり、ひとつの空母打撃群で世界中の空軍力の7割に匹敵するほどです。

今や米国は、12個(12ユニット)の空母打撃群を有し、それらを世界中に展開することで覇権国としての実力と威信を維持しています。

それぞれの空母の名称に歴代大統領の名前が付けられているのは、空母打撃群が今や米国の国力の象徴となっているからです。

最強の軍事ユニットである空母打撃群は、その防衛能力も最強です。

一つの空母打撃群が敵国周辺に接近するだけで軍事的緊張を生むほど強力な空母とその艦載機は、常に敵の攻撃目標になるからです。

空母打撃群は空母を中心にイージス艦、駆逐艦、フリゲート艦、潜水艦、空母の艦載機で構成されていますが、未だイージス艦がなかったころ、米国は敵飛行機や敵ミサイルをミサイルで迎撃する「ターターミサイルシステム」を構築しました。

当時としては最新の三次元レーダーを搭載し、敵をロックオンし、リアルタイムに敵を追跡して撃沈するシステムです。

空母打撃群に近づく敵をレーダーで探知して、その位置を正確に割り出し、敵の移動速度などからターターミサイルを発射します。

そしてミサイルが敵に近づいたところで、ターターミサイルを誘導する専用のレーダーに切り替え確実に敵を破壊するのだとか。

とはいえ、タータミサイルシステムには弱点がありました。

一度に追跡、破壊できる敵はせいぜい1〜2個程度です。

ロシアは、その弱点をついて「飽和攻撃」という戦略を練り上げました。

地上から発射する地対艦ミサイル、戦闘機から発射する空対艦ミサイルを同時に100発近く目標に打ち込む演習を実施したことで、米国に「空母の撃沈は可能である」ことを見せつたのです。

要するに、空母を撃沈する最良の作戦は、ターターミサイルが対処できる数を大幅に上回るミサイルを同時に打ち込む「飽和攻撃」だったというわけです。

このロシアの飽和攻撃を脅威に感じた米国は早急なる対処を迫られたわけです。

そこで開発されたのが「イージス艦」です。

一つのイージス艦によって同時に数十のミサイルを迎撃できるようになったのです。

そしてイージス艦の登場により、空母打撃群の護衛艦は大幅に数を減らせるようにもなりました。

3隻のイージス艦に搭載されたレーダーが空母周辺の数百キロを監視しデータを統合して、最適な迎撃方法を常に計算できるからです。

そもそも敵にしてみれば空母の居場所を発見すること事態が困難を極めます。

空母は時速60キロ以上の高速で移動することが可能なため、広い大洋で空母打撃群を見つけること自体がそもそも難しいのだとか。

以前、北朝鮮対応のために、米国が空母打撃群をインド洋から北朝鮮海域に派遣したことがあります。

そのとき、各国の報道各社は、情報筋を通して空母の位置を推定して報道したのですが、予定時刻、予定場所に空母が一度も姿を見せることなく、報道各社が最初の空母の位置をつかんだときには、既に北朝鮮周辺海域に到達していたと言います。

また、空部の周辺の監視能力はイージス艦だけではありません。

例えば、偵察衛星によって空母の進行方向を常に監視し、敵に見つからないコース、敵の位置を常に監視しています。

あるいは、空母に搭載された早期警戒機で低空で侵入する戦闘機を探知することもでき、同じく空母に搭載された哨戒ヘリは敵の潜水艦を探知発見できます。

さらには空母を護衛する攻撃型潜水艦が、空母が通過する海中を先回りして監視しています。

即ち、海上のみならず、空、海中、宇宙からも空母周辺を哨戒し、攻撃はおろか、攻撃に移させないシステムを構築しているわけです。

飽和攻撃が通用しなくなったいま、ロシアや中国は新たな方法を模索しています。

それは、飽和ではなくイージス艦が対処できないスピードで空母打撃軍の防衛を突破しようというものです。

方法の第一は、極音速の巡航ミサイル。

通常の巡航ミサイルは時速1000キロ程度で旅客機並みの速度なので米軍にとって迎撃は容易だったのですが、ロシアや中国は超音速を超える極音速(マッハ6)を超える巡航ミサイルを開発しています。

マッハを超えるとなると、イージス艦に搭載された迎撃ミサイル(SM3)の速度を大きく超えてしまうため迎撃は困難になります。

さらに中国は「空母キラー」と言われる「対艦弾道ミサイル(DF21)」の開発を進めています。

核ミサイルと同様、宇宙空間までミサイルを打ち上げ、再び落ちてくる勢いとロケットによるブーストによってマッハ10を超える速度で空母を破壊するというものらしい。

弾頭には弾薬は搭載されておらず、運動エネルギーで破壊する方式であるため、敵の軌道を変える以外に空母を弾道ミサイルから防衛する術は今のところないという。

とはいえ米国は、それらのミサイルの射程距離に入ることなく敵への攻撃を可能にすれば、それら高速ミサイルの脅威を無力化できるとしています。 要するに「敵の射程距離を上回る射的距離を獲得すればいい」と言うわけです。

なるほど例えばF22やF35などのステルス戦闘機はそれを可能にする兵器の一つなのでしょう。

以上のとおり、空母撃沈は可能か不可能かを物理的な側面から論じてきましたが、政治的な側面からみますと、そもそもロシアや中国といえども米国空母を安易に攻撃することはないでしょう。

前述のとおり、米軍の空母にはそれぞれ歴代の大統領の名前が付けられています。

また空母打撃群は最強の戦闘力、最強の防衛力を備えていると同時に、空母は米国という国家と国民の象徴的な存在です。

もし米国の空母を実際に撃沈した場合、米国国民が激烈な反応を示すことは明白です。

空母撃沈は、米国との全面戦争を意味するのです。

ロシアと中国が手を組んだとしても、とうてい米軍の足元にも及ばない。

要するに空母撃沈は技術的に困難であると同時に、「空母撃沈の命令」は政治的に最高レベルの決定となり、そのような愚かな決定を下すことのできるリーダーは現状存在しません。

イランや北朝鮮が、絶対と言っていいほどに米国空母に手を出さないのはそのためです。

米国とイランとの関係がきな臭くなっていますが、全面戦争に至る可能性は極めて低いと思います。

ただしそのかわり、中東および世界の至ることろで「テロ」が頻発する可能性があります。

その対策を具体的に講じることのほうが先決です。

むろん予断はできませんが、少なくとも「第三次世界大戦になるぅ〜」みたいな幼稚な予測をたて世の不安を煽るようなことは謹んでほしい。
2020/01/12

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