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仮想通貨は「通貨」になりえるか !?

仮想通貨

世間では未だ「ビットコインなどの仮想通貨の出現によって銀行や現金が要らなくなる」という風説が絶えないらしい。

もはや風説というより幻想にちかい。

詰まるところ、通貨とは何か、経済とは何か、所得とは何か、といった基本を抑えていないがために正体不明の幻想に惑わせれてしまうのでしょう。

まずは「所得」について押さえておきたい。

誰かが生産したモノやサービスを、他の誰かがおカネ(現金通貨もしくは預金通貨)で購入することで所得は創出されます。

ここでいうモノやサービスを「付加価値」といい、所得のことを「GDP」といいます。

例えば、大店法が大幅に緩和された昨今、めっきり少なくなりましたが、街のおもちゃ屋さんを例にします。

とある街のおもちゃ屋さんが、仕入原価700円のおもちゃを1000円で店頭販売していました。

それをお客Aさんが、値切ることなく1000円で購入しました。

このとき、1000円-700円の300円が、おもちゃ屋さんの所得としてカウントされます。(支出面のGDP)

おもちゃ屋さんが生産した付加価値は、仕入れたおもちゃを消費者に小売する「小売サービス」です。(生産面のGDP)

そしておもちゃ屋さんは、得た所得(300円)から人件費や減価償却費や税金を分配します。(分配面のGDP)

因みにGDPは、支出面のGDP = 生産面のGDP = 分配面のGDP

となり、以上3つの額面は必ず一致します。

これをGDP三面等価の原則といいます。

こうしたGDPの世界では、誰かが生産した付加価値を他の誰かが購入することで所得を創出し、所得を得た生産者が今度は購入する側にまわって別の誰かが生産した付加価値を購入して新たな所得を創出しています。

このように生産と購入が繰り返される現象を「実体経済」といいます。

即ち、GDP(所得)を創出する経済活動のことを「実体経済」というわけです。

例えば、お客Aさんが、そのおもちゃをビットコインで売ってくれと言った場合、おもちゃ屋さんは売ってくれるでしょうか?

そのおもちゃ屋さんの経営者がビットコインの余程熱烈なファンでもない限り、不可能かと思われます。

考えてみると、ビットコインなどの仮想通貨は、「仮想通貨」というよりもむしろ「仮想金貨」だ。

「金」の市場が相場変動するように、ビットコインなどの仮想通貨の市場も目まぐるしく相場変動(乱高下)しています。

たしか3年位前まで、1BTCで1万円ぐらいでしたが、今や1BTCで200万円程度にまで跳ね上がっています。

この一事でも、このような不安定な金融資産(仮想通貨)が現金通貨にとって変わるとは考えにくい。

要するにビットコイン(仮想通貨)そのものが売買される金融資産の対象であり、こうした金融資産を売り買いすることによって相場が成り立つ経済のことを「金融経済」といい、実体経済とは一線を画します。

よって、金融経済の対象資産が実体経済の取引通貨として機能するとはこれまた考えがたい。

そもそも通貨とは何か。

それをMMT(現代貨幣理論)は明確に示してくれています。

即ち、国家によって法定された「借用証書」にすぎず、国家が法定する「借用証書」に金属価値は必要ない。

なるほど、そうした法定通貨を発行できる国家(政府)は、通貨の発行量(財政支出)を調整することでインフレ経済にもデフレ経済にも柔軟に対応できるわけです。

通貨に金属価値としての裏付けが必要となってしまうと、通貨の発行量(財政支出)の制約を受けることになります。

今年、このビットコインという暗号資産(仮想通貨)が半減するのをご存知でしょうか。

そうです、同コインの生産が50%減るのです。

これはビットコインの生みの親である、サトシ・ナカモトなる人物が10年以上前にコードに書き込んだとされるルールによって成されます。

コインの「採掘者(マイナー)」に与えられる新コインの数は、ほぼ4年ごとに半減される仕組みになっているようで、今年の5月にこれが起きる見通しとなっています。

なぜか?

むろん、ビットコインの希少性を守るためです。

希少性を担保できないと、ビットコイン価格のインフレを抑えることもできなくなるからです。

このような代物が通貨には成り得ようはずがない。

通貨が国家によって法定された「借用証書」である限り、そして実体経済における付加価値を生産する力に上限がない限り、その政府の通貨発行量(財政支出)にも上限はありません。

むろん付加価値を生産する力には、資源の問題、生産資産の制約などの理由から必ず上限はあります。

しかし逆に言えば、その範囲なら(実体経済の情勢に応じて)、政府の財政支出に上限はないのです。

残念ながらビットコインなどの仮想通貨は、実体経済の状況にかかわらず、仮想通貨そのものに発行上限があるわけです。

ビットコインなどの仮想通貨が「通貨」にはなりえず、その出現によって「銀行が不要になる」こともあり得ない所以です。
2020/01/05

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