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120兆円を超える国債が発行されたが…

今日は年度末です。
結局、政府は今年度(令和2年度)だけで120.7兆円の国債を発行しました。
それでも長期金利(10年債利回り)及びインフレ率にはほとんど影響を与えていません。
このように言うと、「金利が上がらないのは日銀がイールドカーブをコントロールしているからだぁ〜」などと知ったかぶる人もおられますが、そもそも政府による国債発行の原資は民間資金に依存しているわけではありませんので、イールドカーブ・コントロール以前に長期金利に影響を与えるものではないのでございます。
なお、国債増発による「インフレ懸念!?」を指摘するとなんとなくインテリっぽいとでも思っているのか、必ず「国債の増発はインフレ率の上昇を招くぅ〜」と言う人もおります。
さすがに昨今はハイパーインフレを叫ぶお〇〇さんは少なくなりました。
しかしながら、政府がどんなに国債を増発いしたところでそれが有効需要につながらなければデフレギャップは埋まらずインフレ率は上がりません。
今から20年くらい前、私は『100兆円のデフレ脱却国債』の発行を提唱したことがあるのですが、当時は財政破綻論者たちからせせら笑われたものです。
今年度は120兆円を超える国債が発行されましたが、財政的には何ら問題が生じていないことが証明されました。
むしろ、消費税増税とコロナ不況によって、ますます我が国経済のデフレギャップ(総需要不足)は高まり、120兆円でも足りないほどえす。
にもかかわらず、政府(財務省)は基礎的財政収支(以下、PB)の黒字化目標を破棄せずに、来年度(令和3年度)以降も引き続き急進的なPB赤字の縮小(PB黒字化)を目指しています。
深刻な経済情勢にあるなか、恐ろしいほどの緊縮財政を断行するというわけです。
為政者たちが商品貨幣論ではなく信用貨幣論を、そして金属主義ではなく表券主義という正しい貨幣論を持たぬがゆえの狂気沙汰です。
2021/03/31 |