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デフレを放置した上での「最低賃金の引き上げ」は、誰のため?

県内総生産

内閣府には総理を議長とする『経済財政諮問会議』が設置されています。

当会議は、時の内閣の経済財政政策に関する重要事項について提言する合議制機関です。

会議のメンバーは「議員」と呼ばれ、以下、総理を議長として総勢11名で運営されています。

菅 義偉(内閣総理大臣)
麻生 太郎(財務大臣)
加藤 勝信(内閣官房長官)
西村 康稔(経済再生担当大臣)
武田 良太(総務大臣)
梶山 弘志(経済産業大臣)
黒田 東彦(日本銀行総裁)
竹森 俊平(慶應義塾大学経済学部教授)
中西 宏明(株式会社日立製作所 取締役会長 兼 執行役)
新浪 剛史(サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社)
柳川 範之(東京大学大学院経済学研究科教授)

このうち、慶応大学教授の竹森氏、日立製作所の中西氏、サントリーの新浪氏、東大大学院教授の柳川氏の4名がいわゆる「民間議員」と呼ばれる人たちです。

べつに普通選挙によって選ばれたわけでもないのに…

さて、彼ら民間議員が本日(3月22日)の経済財政諮問会議で「最低賃金の引き上げ」を提言するらしい。

提言理由は「最低賃金が低い地域での引き上げが雇用の増加となり、それが地方の底上げにつながる」というものです。

いつも思うのですが、彼ら民間議員には現今経済が「デフレ状態」にあるという認識のかけらもないようです。

もしくは「デフレ」という経済現象そのものを理解されていない可能性のほうが高い。

とりわけ、我が国において中小零細企業が「賃金」を引き上げられないのは、20年以上にわたり総需要の不足というデフレ状態が続いているためです。

経済をミクロ面でみても、仕事量(需要)が恒常的に増えていくという明るい見込みが立たなければ、各企業は新たな設備投資を行ったり、人件費を引き上げたりすることなどできません。

ゆえに総需要が引き上げられないままに、即ちデフレが放置されたままに「最低賃金の引き上げ」が断行されれば、中小零細企業の経営は一層圧迫されることになります。

それに、地方経済の疲弊は経済活動の根幹となる交通インフラの貧弱さにあります。

例えば47都道府県においてGDPが最も低いのは鳥取県ですが、鳥取県のGDPは2017年決算で約1.9兆円です。

1位の東京都が約106兆円、45位の島根県が約2.5兆円、46位の高知県が約2.4兆円で、2兆円を切っているのは鳥取県だけです。

鳥取県は、つい最近まで県庁所在地である鳥取市に高速道路のインターチェンジが無かった唯一の県です。

地域経済の競争力の根源は、交通インフラにあると言っていい。

島根県のGDPを引き上げるには、まずは交通インフラを整備強化し、ネットワーク化することが最重要です。

そのための財源は国(中央政府)が主導すべきです。

むろん鳥取県のみならず、我が国の地方インフラは東京圏への一極集中が進むほどに貧弱なのです。

政府によるインフラの整備強化への投資は、総需要の引き上げとなりますので、その事自体が既にデフレ対策(需要創造)になります。

それにつけても経済財政諮問会議の民間議員らの狙いは明らかです。

まずは、デフレ(総需要不足)を放置したまま最低賃金を引き上げさせることで中小企業経営をさらに窮地に追い込ませ脆弱化させる。

そのうえでデイヴィット・アトキンソン氏や竹中平蔵氏らが主張する「中小企業改革」という名の中小企業の企業淘汰を進める。

結果、中小企業のM&A市場が拡大することができる。

かつてハゲタカファンドが大企業のM&Aでボロ儲けしたように、今度は中小企業を食い物にしてボロ儲けしようという算段なのでしょう。

私たち日本国民は騙されてはならない。

彼ら経済財政諮問会議の民間議員らが「最低賃金の引き上げ」を主張するのは、けっして日本の労働者のためではないのです。

その証拠に、彼らは絶対に「デフレ脱却ための財政支出の拡大」を主張しない。
2021/03/22

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