ブログ

HOME» ブログ »政府の赤字は悪 = 家計の黒字は悪

ブログ

政府の赤字は悪 = 家計の黒字は悪

資金循環統計

私のYouTube動画『いつ上がる? 国債金利! 財政破綻論者たちが言う「国債金利の高騰」は、いつ起こるのか!?』をご覧頂いたかたから次のような質問がコメント欄に寄せられました。

「財政赤字は減らした方が好ましいのは間違って無いですよね?」と。

動画の内容はタイトルそのままで「政府債務残高が増え続ければ、やがて国債金利が急騰する」という破綻論者たちの仮説が現実には起きていないという事実を述べたものです。

これをみて、「そうは言っても、やっぱり赤字は悪じゃねえのかぁ?」というご質問なのだと思います。

やはりどうしても「赤字は悪いもの」という固定観念があるのでしょうね。

無理もないことだと思います。

家計の赤字は生活を苦しくしますし、個人の借金は必ず返済しなければなりませんので。

ただ残念ながら、通貨発行権のある政府財政と家計簿は異なります。

いつも言うとおり、日本政府の政府債務残高とは即ち日本政府の通貨発行残高にすぎません。

政府は国全体の生産力に応じて通貨を発行していかねばならぬのです。

それに「赤字は悪だ」と言うけれど、上のグラフ(日銀の資金循環統計)をみてもわかるように、誰かの赤字は必ず誰かの黒字なのでございます。

とりわけ政府部門(中央政府や地方自治体)の赤字は、民間部門(企業、家計、海外)の黒字をつくっています。

なので「政府の赤字はやっぱり悪じゃねえの?」は「家計の黒字はやっぱり悪じぇねえの?」と同義になります。

その上で政府の財政赤字についてですが、政府は財政支出によって民間部門に通貨を供給しています。

即ちはじめに財政支出ありきなのであって、政府は財政支出より先に税を徴収することはできない。

地方自治体である川崎市もそうです。

本日成立する令和3年度川崎市一般会計予算が4月1日から執行されますが、4月1日の時点で税収(収入)はゼロです。

『地方自治法』
第208条 普通地方公共団体の会計年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。
同条2  各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもつて、これに充てなければならない。


ご承知のとおり、確定申告は年度末ですので。

現実には内部留保で決済することになりますが、内部留保がない場合には、むろんいきなり借金(一時借入金)なのです。

ゆえに来年度川崎市一般会計予算案の第四条においても、一時借入金の最高額は500億円と定められています。

この「一時借入金」が、国(中央政府)で言うところの「国庫短期証券」です。

さて、もし政府や自治体が通貨をすべて租税によって回収してしまった場合、国民は通貨を取引や貯蓄といった手段で使用できなくなります。

したがって、民間部門において通貨が納税以外の手段として使用されるためには、政府は税収以上の支出を行う必要があります。

であるからこそ、MMT(現代貨幣理論)の代表的論者であるランダル・レイ氏は「正常なケースは、政府部門が赤字財政を運営していること」としています。

なお、機能的財政論者のアバ・ラーナー氏は「赤字の規模は財政規律ではなく、国民経済に及ぼす影響によって決定されるべき」と言っています。

昨年、国(中央政府)が12兆円の国債を発行して国民一人当たり10万円の定額給付金を国民の預金に振り込みました。

まさに政府の赤字が国民の黒字をつくったのです。

このように言うと必ず、「じゃぁ、政府は無限に国債を発行できるのかぁ?」と言われそうなので断っておきますが、むろん国内のインフレ率(生産力)が制約になります。

くどいようですが、現在の我が国のインフレ率はゼロ%です。

デフレで苦しむ国がインフレを恐れて国債発行額を抑制しているのは、まるで餓死寸前の人が肥満を恐れて食を断っているようなものです。
2021/03/19

ブログ

セミナー

BLOG

議会報告書

メディア掲載

プロフィール