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財政黒字 vs インフラ

いよいよ年が果てようとしてます。

今年もまた、自然災害に見舞われた1年となりました。

災害対策は現在の法律上、基礎自治体が避難の勧告や指示を出すことになっていますが、9月の台風15号や10月の台風19号などを通じて自治体による対応に大きな差があること、あるいは自治体によるインフラ整備にも大きな差があることが浮き彫りになりました。

4月1日に改正災害救助法が施行され、神奈川県下では川崎市、横浜市、相模原市の3政令指定都市が、新たな救助主体としての“救助実施市”に指定されましたが、10月の台風19号で川崎市は初となる“救助実施市”を発動しました。

しかし、お隣の横浜市は“救助実施市”を発動していません。

むろん川崎市とは違い、発動するほどの被害には至らなかったからです。

例えば、横浜市が整備した鶴見川の多目的遊水地の事業効果は覿面でした。

ラグビーW杯で「日本vsスコットランド」戦が行われた、あの横浜国際総合競技場(日産スタジアム)はこの多目的遊水地の上に乗っています。

あの付近は非常に便利なところなので「何年に一回か水を溜めるだけではもったいから多目的に使おう」ということで、水を溜めても競技場などの施設がちゃんと機能するように設計されていたわけです。

鶴見川多目的遊水地

鶴見川多目的遊水地

鶴見川多目的遊水地

まさに試合の前日、台風19号が直撃し、会場周辺は試合開始直前まで浸水していましたが、試合は予定どおり無事に開催されました。

先週、地方出張の為、あの周辺を車で通ったのですが、遊水地内にある全てのグランドが、まるで何事もなかったようにきれいに整備されていました。

川崎市側の多摩川河川敷にある多くのグランドが、未だ台風19号の爪痕を残しているのとは実に対照的でした。

地方交付税交付金の不交付団体であり、かつ財政力No.1の川崎市では洪水が発生し死者まで出ているのに対し、地方交付税交付金の交付団体でありつつも多目的遊水地を整備し見事に機能させた横浜市では“救助実施市”を発動するほどの被害には至らなかったのは実に皮肉なことです。

浸水によって酷い目にあった住民に対し「それでも川崎市は黒字ですから…」とでも言うのでしょうか。

「財政黒字」と「住民の命を守るインフラ」とを秤にかけ、平然と「財政黒字」を選択してしまう愚劣なる政治が横行して久しいわけですが、それにしても10月の台風19号では、それまで「豪華地下神殿」などと揶揄されてきた“首都圏外郭放水路”の事業効果は実に見事でした。

地下50メートルの深さに掘られた放水路に、中小河川から溢れ出した水を一時的に引き取り、塩梅良く江戸川に放流する役割を担いました。

驚くなかれ、この豪華地下神殿がフル稼働すると、小学校のプール程度の水をわずか1秒間で吐くことができるのです。

これがフルに稼働したからこそ、多摩川以外では大きな川の氾濫が起きなかったわけです。

我が国は、国土のたった10%にしか充たない洪水氾濫区域(洪水時の河川水位よりも低い沖積平野)に、人口の51%、資産の75%が集積しています。

しかも世界有数の超自然災害大国でもありす。

インフラ整備なくして国民の生命と財産を守ることはできない宿命を負っています。

洪水氾濫区域の資産等
2019/12/31

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