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日本一国緊縮主義

日銀当座預金

米国の会計年度は我が国とは異なり、10月から翌年9月までです。

なんとバイデン政権は、今年度(20年10月〜21年9月)の財政赤字を約240兆円にまで拡大するという。

結果、政府債務残高も過去最大を更新するとのことです。

むろん新型コロナウイルス対策等のためでもありますが、実体経済(GDP)の成長力を高めるための財政赤字でもあります。

IMF(国際通貨基金)のゲオルギエバ専務理事もまた、世界経済をデフレ化させないため各国に財政赤字の拡大を求めています。

歴史的にみると、インフレは戦争の結果として起こることが多い一方で、デフレは戦争の要因になりえます。

ゆえに今、世界的なパンデミックとデフレを封じ込めるための国際協調政策が取られつつあります。

そうしたなか、頑なまでにも一国緊縮主義に邁進しているのが我が日本国です。

緊縮思想の巣窟たる財務省は、恐ろしいことに早速に来年度から財政赤字を縮小し、2025年度にはプライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)を黒字化するという。

ちなみに、PBの黒字化目標とは、民間(企業・家計)の赤字化目標のことです。

さて、政府がせっせと緊縮(縮小バランス)する一方で、日銀は量的緩和(市中国債の購入)を続けています。

日銀が民間銀行から国債を購入すればするほど、民間銀行が日銀に保有する当座預金(日銀当座預金)が上積みされています。

上のグラフのとおり、2013年以降、日銀当座預金は急激に増え続けていますが、ついに先月で約490兆円にまで達しました。

そもそも日銀当座預金は何のためにあるのかというと、もちろん銀行間決済をスムーズにするという役割もありますが、もともとは民間銀行の貸出に上限を設けるためのものです。

意外と知られていない事実ですが、民間銀行は手持ちの資金量に制約されずに貸出を拡大することができます。

例えば、AさんがB銀行から100万円というおカネを借りたとき、B銀行はAさんの預金通帳に「100万円」と記帳するだけでいい。

べつにどっかから100万円の預金をかき集めてくる必要はありません。

その意味で、物理的には銀行の貸出量に制約はありません。

むろん借り手の返済能力等が制約になりますが、だとすると借り手に返済能力さえあれば無制限に貸出を拡大できることになります。

もしも各民間銀行が湯水の如く貸出を拡大し続けてしまうと、当然のことながインフレ率が上昇し、やがてバブルを生み出すことになります。

そこで、民間銀行の貸出を制約するたために、「日銀当座預金」と「預金準備率」というものが設けられています。

ある民間銀行の日銀当座預金残高が10万円で、預金準備率が「1%」だった場合、その民間銀行は1000万円までしか貸出すことができないようになっています。

これが、いわゆる準備預金制度です。

要するにインフレ率を抑制するためのシステムです。

冒頭のグラフのとおり、先月時点での日銀当座預金残高は約490兆円です。

預金準備率は最も高いもので「1.3%」(その他の預金、2兆5,000億円超の預金)です。

とすると現在、我が国の民間銀行全体で貸出すことのできる上限金額は、3京7692兆円ということになります。

ところが、実際の貸出金額はいくらか?

なんと、1488兆円です。(2019年度末時点の流動性、定期性、譲渡性預金)

準備預金制度上限枠の、わずか25分の1しか貸出すことができていません。

なぜ?

むろん、デフレで資金需要が乏しいからです。

リフレ派は「日銀当座預金を拡大すれば貸出が増えデフレを払拭でき、必ず経済が成長する」と主張していました。

しかし、それが明らかなる嘘だったことが完全に証明された格好です。

話は全くの逆で、日銀当座預金が貸出を増やすのではなく、貸出が日銀当座預金を増やすのです。

それが真実です。

そして何よりも、デフレ期におカネを借りることのできる、即ち赤字を拡大できる経済主体は政府しかありません。

日本一国緊縮主義は、日本のためにも世界のためにもならない。
 
2021/02/13

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