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ようやく「押し付け救急」の実態調査が行われた

いま川崎市では、医学的管理の不十分な高齢者福祉施設による救急医療への医学的ケアの丸投げ、いわゆる「押し付け救急」が横行しています。

押し付け救急が横行すれば、救急医療体制に不必要な負荷がかかり“救うことのできる命を救えない事態”が生じます。

私は2015年9月より、一貫してその警鐘を鳴らし続けて参りました。

2019年9月議会においても救急搬送を所管する消防局に対し、その後の改善具合を確認したところ、なんと4年前比べ「重度でない高齢者福祉施設からの搬送件数の割合が増えている」とのことでした。

高齢者福祉施設から救急搬送される割合

消防局は「施設に適切な運用をお願いするしかない」と答弁しておりましたが、当該問題は「施設にお願いする」だけで克服することはむろん不可能です。

そこで、2019年12月議会では、地域医療を所管する健康福祉局に対して質問しました。

以下、その議事を要約します。

先般、開催された「川崎地域 地域医療構想調整会議」では、川崎市の救急のレセプト出現比が高いことをもって「川崎市の医療圏では施設と病院との連携がうまくいっている」という実に幼稚で実態を全く把握できていないと思われる滑稽で呆れ返るほどの県のよる評価分析がありました。

因みに最近、国(厚生労働省)から出された“公的病院評価”で、川崎市立の井田病院が政策医療(5疾病、5事業)に充分に寄与していない、という評価がなされましたが、これもまた「レセプト出現比が高いから施設と病院の連携がうまくいっている」という県の愚評と同様の類でしょう。

例えば、高齢者福祉施設と日頃から連携し在宅医療を支援している病院との間で、しかも重症化した場合にのみ救急搬送が行われているのであれば話は別ですが、高齢者福祉施設を利用されている高齢者の年間に二人に一人が、在宅医療支援という観点から全く連携のない二次救急や三次救急に運ばれてくることが、なぜ立派な医療連携と言えるのでしょうか…

やはり、高齢者福祉施設における医学的管理を充実させた上で、それでもなお施設利用者が重症化した場合には在宅支援病院との間での連携を深める方向にもっていく必要があります。

くりかえしますが、そうした方向にもっていかなければ、在宅医療支援という観点から全く連携のない二次救急や三次救急への搬送不可が過剰化し、今後益々もって救える命を救えないケースが多発します。

それに、せっかく改善された本市の「救急搬送時の現場滞在時間が30分以上を超えるケースの割合」が再び上昇しかねません。(かつては全国の政令指定都市で最悪の状態でした)

私の質問に対して健康福祉局は「高齢者福祉施設では医療を必要とする利用者が増加してきており、施設における医療対応が課題になっているものと認識しております」と答弁されており、所管当局としても施設における医学的管理の重要性を認識しています。

また本市は2019年6月に、特別養護老人ホーム等の市内487施設を対象に実態調査を行い、その結果、施設の種別ごとに医師による訪問頻度や看護職員体制、急変時の対応が異なることが明らかになったとのことです。

例えば、特別養護老人ホームの場合は、急変時に医師が対応する割合が、他の施設よりも低くなっていることや、有料老人ホーム等では、ほとんどの施設が協力医療機関を確保しているものの、急変時には多くのケースで、医師の指示によって救急搬送されている状況であることが浮き彫りとなりました。

なお、各施設からは「終末期の医師確保や看取りを行うことで救急搬送を減らしていきたい」という意見が多数あったようです。

であるならば、そのためには何よりも職員のスキルアップ及び開業医などのさらなるご協力が不可欠です。

詰まるところ、介護現場で働く職員の給与水準を引き上げるための、そして医師の協力体制を強化するための、介護報酬と診療報酬の引き上げが必要となります。

そのネックとなっているのは、むろん国による緊縮財政であり、財務省が総務省を経由して地方自治体に強要しているプライマリーバランス黒字化目標です。
2019/12/28

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