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財政赤字は悪いもの、という思い込み

緊急事態宣言が延長されるようです。
むろん延長するのはいいけれど、相応の補償がないままに「営業するな!」では話にならない。
無責任なワイドショーのコメンテーターたちは「これ以上の借金はすべきでないが、ある程度の補償は仕方がないのでは…」と他人事のように言う。
今朝の玉川何某もそうだった。
なぜ、「借金はすべきでない」のか?
どうして、「仕方がない」のか?
少しは真面目に考えてほしい。
ワイドショーのみならず多くのテレビ番組には、公共の電波を使って発言することの責任を欠いた発言が満ち溢れています。
彼ら彼女らには、明らかに「政府の赤字財政は悪いことだ」という思い込みがあります。
財政が黒字であるべきか、それとも赤字であるべきかを決めるのは、あくまでもインフレ率、実質賃金、失業率、金利等々のマクロ指標に基づいて分析された経済情勢です。
例え経済が好調で完全雇用が維持されていたとしても、もしもインフレ率や金利が過度に上昇し続けているのであれば財政は引き締められるべきで、そのときこそ政府はPB(基礎的財政収支)を黒字化させねばなりません。
逆に、インフレ率、金利、実質賃金が下がりつづけているのであれば、政府はPBを赤字化させることで不足する総需要を埋めなければなりません。
即ち、PB黒字化はあくまでも手段の一つなのであって目的ではありません。
なのに、主流派経済学がそうであるように、多くの人々が「収支均衡こそが財政の基本だ」と誤解しているため、病的なほどにPB黒字を目的と考えています。
誰かの負債は必ず誰かの資産であり、誰かの赤字は必ず誰かの黒字です。
これは経済の物理的事実であり、絶対原則です。
この世には「負債」だけを一方的に増やせる経済主体など存在しません。
冒頭の図のように、国全体のバランスシート上では、その反対側で必ず「資産」が計上されています。
恐ろしいことですが、経済の絶対原則を無視したテレビ番組等では、既にコロナ後の財政再建論までもが飛び出している始末です。
「………」
2021/02/02 |