ブログ
日本が「中国倭人自治区」となる日
各国の軍事力を比較する際、そのポイントとなるのは、①軍事予算と②実戦経験の二つです。
ここで言う「軍事予算」とは、GDPに占める防衛予算(戦費は含まない)のことです。
軍事費を対GDP比で見ず、その年の絶対額でみてしまうと、「日本の防衛予算は世界ランクで10位以内に入っているから日本は世界でも有数の軍事大国だぁ」と騒ぎ立てる輩と同類になってしまいます。
我が国の軍事費対GDP比率は、わずか0.9%足らずであり、「日本は集団安保の責務を果たしていない」という国債社会からの批判があることを知っておきましょう。
さて、その上で各国の軍事予算をみますと、下の表のとおり米国のそれが世界を圧倒しています。

次いで中国。
かつてはアジア最強といえば日本でした。
10年前までは、中国(人民解放軍)の新しい戦闘機や艦艇が発表されるたびに見下した記事が出回っていました。
しかしながらその後、デフレを放置して国力を衰退させ続けている日本を尻目に、中国はアジアで圧倒的なパワーと経済力をもつ国へと成長し変貌してしまいました。
軍事力はもちろん、科学力、技術力の面においても既に日本など眼中にないほどに先進国としての自信をつけています。
例えば、日本は自国で戦闘機を開発する技術はありませんが、中国は自国で開発を進め技術革新を繰り返しています。
今や中国は名実ともに米国に次ぐ軍事大国です。
軍事大国とは、軍事力を背景に外交や国際交渉を有利に進めることのできる力を持っている国と言っていい。
とはいえ、さすがの中国も米国の軍事力には足元にも及ばない。
世界各国の軍事予算を合計すると、約200兆円(1$=113円で換算)にもなりますが、その36%(2018年度ベース)を米国の軍事予算が占め、金額にすると約73兆円です。
この額は、日本の軍事予算の14倍にものぼる額です。
対する中国は約28兆円ですが、それでも日本の約5倍の軍事費を投じています。
米国と中国の軍事費を合算すると100兆円を超え、この2カ国だけで世界の軍事費の半分を拠出しています。

軍事費と国力はほぼ相関します。
よって軍事力、国力ともに、米国と中国は世界でも圧倒的な地位をほこり、世界経済はこの二カ国で回っているといってもいいのかもしれません。
2000年というつい最近、中国の軍事費は約2兆円に過ぎませんでした。
当時の中国は、国力も乏しく技術をもっていなかったため、大量の陸軍兵士を雇って質を量でカバーしていました。
しかし、わずか20年という短い期間で、10倍の規模に達し、今なお毎年10%ずつ軍事費を増やしています。
これだけをみても、我が国がいかにダメかが解ります。
軍事力が世界に及ぼす影響について、今ひとつピンとこない人もおられるかもしれません。
そこで一例を上げます。
中国が台頭するまで、世界は米国による一極秩序によってコントロールされていました。
米国は一国の軍事力に匹敵する空母打撃群(昔は空母機動部隊と言った)を11ユニットも保有し、世界中に配備しています。
その地域で何らかの問題が発生すると、直ちに空母打撃群を派遣して事態を収集してきたわけです。
そうした世界の警察官を担うことで、米国は世界での政治的発言権を確保し、貿易交渉を含む外交政策をも有利に進めることができたわけです。
例えば、台湾で台湾独立後初となる総統選挙が実施された際、それに反発した中国は台湾海峡にミサイル演習を設定し、事実上、台湾海峡を封鎖しました。
実際にミサイルを海に打ち込み、戦争直前となりました。
いわゆる第三次台湾海峡危機です。
もしも台湾が中国に併合されると、米国は国益上、不利となることから、中国によるミサイル演習が開始されると同時に米国は激烈な反応を示しました。
まず米国は中国に対し、“ミサイル演習の中止”を要請します。
演習を中止しなければ“実力行使”も辞さないと警告しました。
対する中国は米国の警告を無視。
そこで、米国は台湾海峡に空母打撃群2ユニットを派遣します。
中国は台湾海峡にミサイルが着弾するようミサイルの発射を繰り返しましたが、そこに米国の空母が現れたのです。
米国の空母は、米国を象徴する存在です。
空母一隻ずつに歴代の大統領の名前が付いているのはそのためです。
よって、一般的な艦艇を攻撃するのと米国の空母を攻撃するのとではわけが異なります。
大統領の名前が与えられた米国の空母を攻撃する、もしくは空母の近くにミサイルが着弾するということは米国との全面戦争を暗に意味します。
米国空母の接近を知った中国は、「米国は台湾に注目している場合ではない。自国の西海岸を心配したほうがいい」と核で脅します。
しかし今度は中国の警告を米国が無視。
米国は中国の警告に反応することなく、2隻(2ユニット)の空母を台湾海峡に投入し、2ユニットの全戦闘機、全艦艇を臨戦体制におきました。
このときもし、中国が演習として台湾海峡にミサイルを打ち込んでいたら、米国の空母打撃群に対する攻撃とみなされたことでしょう。
中国としては「演習は、どの国でも実施されている当たり前の軍事行為であり、中国が事前に台湾に通告し、ミサイル演習することは別に問題がない」という立場をとりました。
合法的かつ正当な演習を貫きたい中国ですが、最強の米国を前にして、合法の演習を力によって中止させられたわけです。
結果、米国の空母打撃群の示威行動に耐えかねた中国は軍を沿岸部から撤退することになりました。
このとき、中国が米国から受けた屈辱は相当なもだったでしょう。
目の前に現れた軍事力の差に圧倒され、はるばる遠くからやってきた米国の挑発に何も手を出せずに敗北したのですから。
この事件をきっかけに、中国の目的が明確化されました。
空母接近拒否とアジア地域の制海権掌握です。
現在、国際法上、領土領海は決まっていますが、実質的に世界中の制海権を握っているのは米国です。
軍事衝突を上回るほどの損害が米国に発生する可能性があれば、いつでも米国は軍事力を使って例え相手が大国であろうと制圧できるパワーをもち、そのパワーを背景に交渉を有利に進めているのが現状です。
アジア地域は、米国のなかでも最強の第7艦隊が制海権を握っており、アジアの海は第7艦隊が支配しています。
中国の目的はその第7艦隊の制海権を奪うことにあります。
もしもそれが達成されれば、我が国は中国のアジア覇権に飲み込まれることとなります。
そうです、歴史ある日本国が「中国倭人自治区」となってしまうのです。
だからこそ、我が国は一刻も早くデフレ経済を払拭し、対GDPで2.5%程度の防衛費を確保し、集団安保の責務を果たすことで実践経験を重ね防衛力を強化していかねばならないのです。
ここで言う「軍事予算」とは、GDPに占める防衛予算(戦費は含まない)のことです。
軍事費を対GDP比で見ず、その年の絶対額でみてしまうと、「日本の防衛予算は世界ランクで10位以内に入っているから日本は世界でも有数の軍事大国だぁ」と騒ぎ立てる輩と同類になってしまいます。
我が国の軍事費対GDP比率は、わずか0.9%足らずであり、「日本は集団安保の責務を果たしていない」という国債社会からの批判があることを知っておきましょう。
さて、その上で各国の軍事予算をみますと、下の表のとおり米国のそれが世界を圧倒しています。

次いで中国。
かつてはアジア最強といえば日本でした。
10年前までは、中国(人民解放軍)の新しい戦闘機や艦艇が発表されるたびに見下した記事が出回っていました。
しかしながらその後、デフレを放置して国力を衰退させ続けている日本を尻目に、中国はアジアで圧倒的なパワーと経済力をもつ国へと成長し変貌してしまいました。
軍事力はもちろん、科学力、技術力の面においても既に日本など眼中にないほどに先進国としての自信をつけています。
例えば、日本は自国で戦闘機を開発する技術はありませんが、中国は自国で開発を進め技術革新を繰り返しています。
今や中国は名実ともに米国に次ぐ軍事大国です。
軍事大国とは、軍事力を背景に外交や国際交渉を有利に進めることのできる力を持っている国と言っていい。
とはいえ、さすがの中国も米国の軍事力には足元にも及ばない。
世界各国の軍事予算を合計すると、約200兆円(1$=113円で換算)にもなりますが、その36%(2018年度ベース)を米国の軍事予算が占め、金額にすると約73兆円です。
この額は、日本の軍事予算の14倍にものぼる額です。
対する中国は約28兆円ですが、それでも日本の約5倍の軍事費を投じています。
米国と中国の軍事費を合算すると100兆円を超え、この2カ国だけで世界の軍事費の半分を拠出しています。

軍事費と国力はほぼ相関します。
よって軍事力、国力ともに、米国と中国は世界でも圧倒的な地位をほこり、世界経済はこの二カ国で回っているといってもいいのかもしれません。
2000年というつい最近、中国の軍事費は約2兆円に過ぎませんでした。
当時の中国は、国力も乏しく技術をもっていなかったため、大量の陸軍兵士を雇って質を量でカバーしていました。
しかし、わずか20年という短い期間で、10倍の規模に達し、今なお毎年10%ずつ軍事費を増やしています。
これだけをみても、我が国がいかにダメかが解ります。
軍事力が世界に及ぼす影響について、今ひとつピンとこない人もおられるかもしれません。
そこで一例を上げます。
中国が台頭するまで、世界は米国による一極秩序によってコントロールされていました。
米国は一国の軍事力に匹敵する空母打撃群(昔は空母機動部隊と言った)を11ユニットも保有し、世界中に配備しています。
その地域で何らかの問題が発生すると、直ちに空母打撃群を派遣して事態を収集してきたわけです。
そうした世界の警察官を担うことで、米国は世界での政治的発言権を確保し、貿易交渉を含む外交政策をも有利に進めることができたわけです。
例えば、台湾で台湾独立後初となる総統選挙が実施された際、それに反発した中国は台湾海峡にミサイル演習を設定し、事実上、台湾海峡を封鎖しました。
実際にミサイルを海に打ち込み、戦争直前となりました。
いわゆる第三次台湾海峡危機です。
もしも台湾が中国に併合されると、米国は国益上、不利となることから、中国によるミサイル演習が開始されると同時に米国は激烈な反応を示しました。
まず米国は中国に対し、“ミサイル演習の中止”を要請します。
演習を中止しなければ“実力行使”も辞さないと警告しました。
対する中国は米国の警告を無視。
そこで、米国は台湾海峡に空母打撃群2ユニットを派遣します。
中国は台湾海峡にミサイルが着弾するようミサイルの発射を繰り返しましたが、そこに米国の空母が現れたのです。
米国の空母は、米国を象徴する存在です。
空母一隻ずつに歴代の大統領の名前が付いているのはそのためです。
よって、一般的な艦艇を攻撃するのと米国の空母を攻撃するのとではわけが異なります。
大統領の名前が与えられた米国の空母を攻撃する、もしくは空母の近くにミサイルが着弾するということは米国との全面戦争を暗に意味します。
米国空母の接近を知った中国は、「米国は台湾に注目している場合ではない。自国の西海岸を心配したほうがいい」と核で脅します。
しかし今度は中国の警告を米国が無視。
米国は中国の警告に反応することなく、2隻(2ユニット)の空母を台湾海峡に投入し、2ユニットの全戦闘機、全艦艇を臨戦体制におきました。
このときもし、中国が演習として台湾海峡にミサイルを打ち込んでいたら、米国の空母打撃群に対する攻撃とみなされたことでしょう。
中国としては「演習は、どの国でも実施されている当たり前の軍事行為であり、中国が事前に台湾に通告し、ミサイル演習することは別に問題がない」という立場をとりました。
合法的かつ正当な演習を貫きたい中国ですが、最強の米国を前にして、合法の演習を力によって中止させられたわけです。
結果、米国の空母打撃群の示威行動に耐えかねた中国は軍を沿岸部から撤退することになりました。
このとき、中国が米国から受けた屈辱は相当なもだったでしょう。
目の前に現れた軍事力の差に圧倒され、はるばる遠くからやってきた米国の挑発に何も手を出せずに敗北したのですから。
この事件をきっかけに、中国の目的が明確化されました。
空母接近拒否とアジア地域の制海権掌握です。
現在、国際法上、領土領海は決まっていますが、実質的に世界中の制海権を握っているのは米国です。
軍事衝突を上回るほどの損害が米国に発生する可能性があれば、いつでも米国は軍事力を使って例え相手が大国であろうと制圧できるパワーをもち、そのパワーを背景に交渉を有利に進めているのが現状です。
アジア地域は、米国のなかでも最強の第7艦隊が制海権を握っており、アジアの海は第7艦隊が支配しています。
中国の目的はその第7艦隊の制海権を奪うことにあります。
もしもそれが達成されれば、我が国は中国のアジア覇権に飲み込まれることとなります。
そうです、歴史ある日本国が「中国倭人自治区」となってしまうのです。
だからこそ、我が国は一刻も早くデフレ経済を払拭し、対GDPで2.5%程度の防衛費を確保し、集団安保の責務を果たすことで実践経験を重ね防衛力を強化していかねばならないのです。
2019/12/27 |