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湾岸戦争から30年 〜 未だ集団安保を理解できないメディア 〜

集団安保

井の中の蛙(新聞社)、大海(集団安保)を知らず。

ことし、あの『湾岸戦争』から30年を迎えます。

湾岸戦争は米国を中心とする多国籍軍(国連軍)とイラクとの戦争です。

開戦は1991年1月17日、34カ国からなる多国籍軍によるイラクへの空爆からはじまりました。

当時、私は大学3年生でしたが、テレビでみた空爆の映像を今でもよく覚えています。

戦争名が「湾岸戦争」と呼称されたのは、戦場となった湾岸の「湾」を「ペルシャ湾」と呼べばスンニ派諸国が納得せず、「アラビア湾」と呼べばイランなどのシーア派が納得しない。

ゆえに、ただの「湾岸」としたわけです。

多国籍軍の戦争目的は、開戦前年にクエートへ侵攻し併合したイラクへの制裁、及びクエートの開放でした。

なお、開戦に踏み切った法的根拠は国連憲章に基づく集団安全保障の集団的措置となります。

戦闘は多国籍軍の圧倒的な武力がものをいい、安保理決議687号をイラクが受け入れ4月6日には停戦合意が締結されています。

さて、あのとき、日本国内では多国籍軍に参加すべき、すべきでない、の議論が盛んに行われましたが、結局、我が国は90億ドルのカネだけを出し、国連憲章に基づく集団措置に参加することはありませんでした。

さすがにカネだけでは「国際社会で名誉ある地位を得ることはできない」と考えられ、その後、我が国は、PK0(国連平和維持活動)という武力を伴わない海外での国連オペ(国連による活動)に自衛隊を派遣することになったわけです。

そうした歴史を振り返って、日本経済新聞が本日(1月15日)の紙面で次のような記事を書いています。

「自衛隊を送らず国際社会から批判を受けた日本にとっては海外派遣に道を開く転機となった。それから法整備を進めて防衛予算も1兆円増やしたものの、抑止力強化や国際貢献の課題はなお残る」

即ち…
1.あの戦争が自衛隊を海外に出す転機となった
2.防衛費を1兆円増やしても、抑止力は強化されていない
3.防衛費を1兆円増やしても、国際貢献の課題がある

…とのことですが、ぜひとも日本経済新聞に問いたい。

①はたして日本経済新聞の言う「抑止力」ってなんですか?

②我が国は何の留保事項もつけず国連に加盟した以上、国連憲章に謳われている義務を誠実に果たす責務があるのではないですか?(加盟にあたり、武力を伴う措置には参加できない、などの留保事項はない)

③「防衛費を1兆円を増やしても…」というのは、1兆円じゃ足りないと言っているのですか? それとも多すぎると言っているのですか?

詰まるところ日本経済新聞にとっては、防衛費が1円でも増えること、あるいは自衛隊の軍事的な活動範囲が少しでも拡がることが気に入らないのでしょう。

しかしながら、少なくとも次のことだけは知っておいてほしい。

国連憲章が謳っている「集団安保」は、加盟国に対しそれぞれの経済力(GDP)に応じた防衛費を確保するよう求めています。

具体的にはGDPの2〜3%の防衛費です。

即ち、GDP1%未満の我が国は国連憲章が示す責務を果たしておらず、このことは他の国連加盟国からも厳しく指摘されているところです。

米国が覇権国としての力を失いはじめるまでは、たまたま私たち日本国民は我が国をとりまく国際環境に恵まれ、他国から直接的な武力行使を受けることがなかったという意味においての「平和」を享受してきました。

そのことに甘んじてきてしまったせいか、我が国には前述の日本経済新聞の記事のような「とにかく日本だけが平和であればいい」というような歪んだ防衛論があとを絶ちません。

この思考的退廃は実に危険です。

残念ながら、日本一国平和主義は国際社会では通用しないのです。
2021/01/15

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