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リスクオフで円が買われる理由
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きのうの靖國神社での昇殿参拝のおり、本年の干支である丑(牛)の飾り物をお頒かち頂きました。
古来、我が国では新年を迎えるにあたり、家内安全や無病息災を祈って、その年の干支にちなんだ縁起物を神棚や床の間に飾る慣わしがあります。
ゆえに上の写真のとおり、さっそく神棚に飾らせて頂きました。
それにしても昨今は「お正月らしさ」が年々薄れていることを痛感します。
門松もほとんど見られなくなりましたし、私が子供のころなどは自動車に「しめ飾り」がつけられているのをよく目にしたものですが、今や自動車にしめ飾りをつけている人など皆無です。
今年頂いた年賀状の中には「年賀状は今年で最後にしようかと思います…」なんてものもありました。
これもまた、非効率なものを悉く悪とするネオリベラリズムに蝕まれた国の行きつく姿なのでしょうか。
さて話はかわりますが、きのうの外国為替市場で円高が進みました。
いっときは1ドル=102円台後半まで進み、終値は103.03円となって昨年3月以来およそ10カ月ぶりの円高・ドル安水準となりました。
菅総理が年頭会見で「新型コロナの感染対策として東京都など1都3県に対する緊急事態宣言の検討に入る」ことを示唆したことが材料となったようです。
例によって安全な金融資産である「円」へのリスクオフです。
毎度思うのですが、もしも本当に我が国が財政的危機にあったなら、リスクオフで円が買われることなど有り得ないはずです。
いつ紙くずになるのかもわからないような危ない通貨に大切な金融資産を移す間抜けな投資家なんていないでしょうに。
戦争、テロ、災害、疫病、あるいは地政学的なリスクが高まった場合、必ず価値が上昇するのが「金」と「円」です。
グローバル投資家たちは実のところ「日本政府が財政破綻によってデフォルトすることなど有り得ない」ことを知っているのです。
彼らは「在りもしない危機」を煽ることで市場での優位性を確保し続けているのでしょうし、あるいは日本の銀行や証券会社のエコノミストたちが「このままでは日本は財政破綻するぅ〜」と騒ぎたてるのも、円資産をもつ国内投資家たちに例えば外債などのできるだけハイリスクな投資商品を買わせたいからです。
これもまた、ネオリベラリズムに蝕まれた国の行きつく姿か。

2021/01/05 |