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何から何まで Too little Too late

ことし、4月7日から5月6日の1か月間、新型インフルエンザ特措法(コロナ特措法という法律はありません)に基づく非常事態宣言が発出されました。
宣言が発出される直前の3月の段階で、私は「非常事態宣言が発出されても、特措法には強制的権限が担保されていないため、対策はことごとく中途半端に終わってしまうのではないか」という懸念を指摘させて頂きました。
なお同時に、経済活動の自粛を要請するなら、事業者に対する「粗利補償」などそれなりの財政的措置を伴わなければコロナ以前に経済的死者が続発してしまうことも指摘させて頂きました。
張り子の虎の「非常事態宣言」(2020年3月27日)
https://www.ryusuke-m.jp/theme155.html
抜くに抜けない、竹光「非常事態宣言」(2020年3月30日)
https://www.ryusuke-m.jp/theme158.html
予感は的中しました。
感染拡大を阻止するための自粛も、補償のための財政政策も悉く中途半端で、その後コロナは2波、3波と感染者数が拡大していきました。
そして経済的理由からの自殺者も増え、とりわけ雇用を失った若い女性の自殺者数が増えていしまいました。
強制力にはいろいろな意味がありますが、例えば陽性者に対する法的強制力が無いために、本来、隔離されるべきコロナ感染者が街を自由にうろつき故意にウイルスを撒き散らす人が現れるほどの始末。
強制力なき特措法、財政拡大なき経済対策により、明らかに事態は悪化しています。
今更のように菅総理は「強制力と補償の両立てが必要だ」みたいに言っていますが、これだけ感染者数が拡大してしまった今となっては既に強制力云々の話では追いつきません。
もはや現実的かつ効果的なコロナ対策は、ワクチン接種を一日でも早く開始するしかないのではないでしょうか。
メディアはワクチンの副作用をことさらに誇張して報道していますが、情報公開がしっかりしている米国での接種が3日前に100万件を超えましたが、数名の強いアレルギー反応があったものの副作用での死者はゼロです。
例によって日本のメディアは分母を示さず、副作用の件数だけしか報道していません。
既にEU27カ国、北米・南米大陸諸国、ロシア、中国、中東ではワクチン接種が開始されてます。
ところが先進国では我が国だけが来年の4月頃の予定となっており、かつ未だ先行き不透明です。
今月中旬にファイザーは日本政府に申請したにもかかわらず、認可は2月の中旬以降になると言われておりますが、米国、英国、EUでは、申請から数日で許可を下ろし、緊急時であることから審査や資料はすべてWebサイト上で国民に公開され行われています。
日本は密室で非公開で行われ、しかも遅い。
なにが規制改革だ。
規制なんぞ改革しなくとも、こんなことは総理の決断一つのはずです。
財政面でもトゥレイト(too late)が甚だしい。
今年度(令和2年度)の政府の国債発行額は112兆円を超えました。
それでも、いわゆる「財政破綻論」者の人たちが言うような、金利高騰やハイパーインフレや財政破綻(デフォルト)などの危機にはまったく至っていません。
デフレ経済に苦しむ現在の我が国では、おそらくは更に100兆円の新規国債を発行してもインフレ率はびくともしないでしょう。
であれば、4月の段階において、はなっから50〜60兆円程度の国債を発行し、すべての事業者への粗利補償を行い(粗利補償をすれば雇用を失う人はいない)、そのうえで1ヶ月間、強制力を伴う経済活動の停止を断行すれば、このような事態にはならなかったはずです。
今の政治は、何から何まで、Too little、Too late です。
2020/12/28 |