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防衛費と白血球

来年度予算案が閣議決定したことを受け、12月20日付けの朝日新聞が「防衛予算案5.3兆円、過去最大 高い米製品の購入続く」という見出しをつけていました。

まるで日本が軍事大国化(軍事大国にもちゃんとした定義があります)してしまうかのような報道は朝日新聞の既定路線なので別に驚きもしませんが、こうした記事によって誤解される方もおられると思われますので、一応突っ込んでおきます。

まず、昨日のブログでも申し上げましたとおり、予算というのは年々増えていって当たり前であること。

特に今の日本はデフレ経済で疲弊していますので、政府予算(政府需要)を拡大しなければなりません。

日本の防衛力が強化されることを望んでいない人たちにとっては、防衛費の拡大は許しがたいことなのかもしれませんが、我が国の防衛予算は諸外国に比べても絶対的にも抑制されてきたため、現在では施設で使用するトイレットペーパーでさえも自衛官たちがポケットマネー(私費)で購入しているらしい。

それだけ日本の防衛費はカツカツなんです。

それから、その国の防衛費が多いのか少ないのかの国際的な判断基準は、前年比で増えているかどうかなどではありません。

国際常識としては、対GDP比率こそが判断基準です。

日本のそれは、毎年わずか0.9%程度で世界基準を大きく下回っています。

しかも、日本のGDPが世界でもっとも成長していないのはご承知のとおりです。

例えば、日米中のGDP世界シェアをみると次のとおりのごとき悲惨な状況です。

日米中のGDP世界シェア

ピーク時は16%まで成長した日本のGDP世界シェアは、1998年のデフレ突入以降、一貫して低下し続けて今や5%台にまで落ち込んでいます。

一方、GDP世界シェアを拡大し続ける中国は、当然のことながら軍事予算(防衛費)を拡大し続けてきました。

おそらく単年度ベースで日本の20倍の軍事予算を計上しているはずです。

とりわけ、海軍力の増強が目立ちます。

東シナ海や南シナ海(第二列島線)から米軍を排除する戦略をとっています。

在日米軍基地が中国からの武力攻撃を受けた場合、何の抵抗もできなことが既に証明されています。

よって在日米軍の戦略上重要な航空機などは、遠くグアム基地などに移転されているとのことです。

中国に米国本土を攻撃する意図などありません。

彼らはあくまでも、第二列島線から米軍を排除できればいいのです。

ここで重要なのは、米国は日本本土を中国から守るために米国の若者を死なせるようなことはしないということです。

日本本土を主体的に守るのはあくまでも自衛隊なのです。

これだけ防衛予算に格差がついてしまった中国に対し、GDP比0.9%の自衛隊がどのように対峙すればいいのか。

防衛費の拡大を憂う連中の気が知れない。

それだけではありません。

我が国は、1956年に何の留保事項もつけずに国連に加盟しています。

よって日本は、国連憲章が掲げている「集団安保の責任」(国連憲章第2条)を果たす義務を負っています。

加盟国の防衛予算は対GDP比で約2.5%です。

諸外国からは「対GDP比0.9%の日本は憲章で負っている義務を果たしていない」と批判されていること日本国民は知るべきです。

また、この責任を果たしていないことが、日本の外交力を弱くしている一員であることも知るべきです。

もしも我が国がGDP比2.5%の防衛予算を確保することができれば、例えば米国様から要求される「日本に不利益な貿易協定」を大手を振って拒否することも可能となるでしょうし、少なくとも交渉力が高まることは確実です。

あるいは北朝鮮による軍事的脅しを抑制することもできます。

防衛力とは即ち外交力であるこを私たちは肝に命じておくべきです。

人間の血液には1000分の1ccあたりに、約3,500〜9,000の白血球が存在してます。

この白血球が、もしも3,500を下回れば血液中のウイルスを撃退することはできませんし、もしも9,000を超えれば健康を損ないまともな人付き合いもできません。

国家にとっての防衛費とは、まさに白血球の数に相当します。

2019/12/24

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