ブログ

HOME» ブログ »3973倍の債務残高による恩恵

ブログ

3973倍の債務残高による恩恵

あと2年ばかりで、いわゆる「団塊の世代」が後期高齢者(75歳以上)になりはじめます。

これを受け厚生労働省は「後期高齢者の医療費を賄うために現役世代が拠出するお金が増えるぅ〜」という試算を発表し、いらぬ不安を煽っています。

厚労省の試算では、現役世代一人あたりの負担は今年度の約6万3千円から2025年度には約8万円へと増えるのだとか。

しかしながら、それは明らかに「租税貨幣論」を無視した強引なこじつけ試算だと思います。

そもそも地方行政であれ、中央政府であれ、行政の財政は常にスペンディング・ファースト(歳出が先)です。

憲法や法律では中央政府も地方行政もその年の歳出はその年の歳入をもって賄うことが原則として義務付けられていますが、例えば年度はじめの4月1日にはその年の租税収入はゼロ円です。

収入ゼロでも行政は、国民に行政サービスを提供するために年度早々から支出をしなければなりません。

だから地方自治体の予算案には「一時借入金」の条項があり、国には国庫短期証券を発行できる制度が付与されているわけです。

つまり行政は、制度としてまずは借金ありきなのです。

そして行政がそのままおカネを使いっぱなしにすればインフレ圧力になることから、租税というかたちでおカネを回収しているだけの話です。

逆にいえば、インフレ率が上がらないのであれば租税として回収する必要はありません。

デフレ下において減税の必要性が説かれるのはそのためです。

要するに「租税」は財源確保の手段ではない、ということです。

したがって「現役世代が後期高齢者の医療費を支えている」という言い方は適切な表現ではないと思います。

後期高齢者の医療費を賄うためのおカネが足りないのであれば、インフレ率をみながら国債を発行し、その分の財源を確保すればいい。

いったい、それの何が問題なのでしょうか。

国債を発行すると「将来世代にツケを遺すのかぁ」と言われそうですが、そもそも政府債務とは増えていくものです。

下のグラフは、明治4(1970)年以降の日本政府の債務残高の推移です。

2019年度末の債務残高は、1872年末比で、なんと3973倍です。

インフレ率を差し引いた実質値でも1885年比で564倍です。

現在を生きる私たち日本国民は、3973倍の債務残高に苦しんでいるのではなく、先人たちの「投資」によって構築された様々なインフラや制度の恩恵を受けて暮らしています。

なんどでも言う。

税金(租税)は財源確保の手段ではない。

そして、自国通貨建てで国債を発行できる政府には、インフレ率が許すかぎりにおいて国債発行に上限(量的制約)などありません。

政府の債務残高
2020/11/30

ブログ

セミナー

BLOG

議会報告書

メディア掲載

プロフィール