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日銀当座預金という貨幣

景気動向指数

きのう、内閣府から9月の景気動向指数が発表されました。

構成する指標の動きを合成し、それを基準年(2015年=100)と比較することで景気変動の大きさやテンポを示すCI(一致指数)の改定値が前月値から1.7ポイント上昇の81.1となり、速報値(80.8)から上方修正されました。

このCIの一致指数を踏まえ、基調判断は「下げ止まりを示している」と据え置かれています。

即ち「景気の底だが、下げ止まって足踏みしています」と言いたいのでしょう。

でも、CIをよくみますと、景気の現状を示す「一致指数」は上方修正となりましたが、数カ月後の景気の動きを示す「先行指数」は僅かながら速報値から下方修正されています。

先行指数が下方修正されているのに「下げ止まり…」なんですね!?

一方、例によってNHKが財務省のご指導のもとに、「日銀の総資産額が過去最高の690兆円となりGDPの1.2倍に達しているぅ〜」と憂いていますが、そんなことより、日銀当座預金がまもなく500兆円に達する寸前まできているというのに、長期金利、あるいはインフレ率が一向に上昇しない異常事態を憂いたほうがいい。

日銀当座預金

日銀当座預金が増えているのは、インフレ率2%を目指して日銀が市中の国債やETF(上場投資信託)を買い込んでいるからですが、残念ながらインフレ率は未だゼロ%のままです。

インフレ率ゼロ%とは、日本経済がデフレ不況の直中にあること意味しています。

それでも日銀によるETF買いの効果があってのことなのか、日経平均株価だけはバブル崩壊以降の最高値をつけています。

日銀当座預金にどれほどのおカネが積み上がろうと、それが使われなかったらデフレ経済は全く解消されず、国民は豊かになることができません。

さて、日銀に当座預金をもてるのは政府と民間金融機関のみです。

日銀当座預金は、次にような決済手段として使われています。

例えば政府が100兆円の国債を発行し、それを民間金融機関が引き受けた場合、民間金融機関が日銀にもつ当座預金から政府が日銀にもつ当座預金に100兆円が移ります。

100兆円を調達した政府が公共事業などで財政支出すると、公共事業を請け負った企業Aの銀行預金におカネが移ります。

このとき、企業Aの銀行預金を発行した民間金融機関Bにとって100兆円は負債にあたります。

ゆえに、政府の日銀当座預金100兆円が、民間金融機関Bの日銀当座預金に戻ってくることになります。

これが政府の国債発行(通貨発行)のメカニズムです。

要するに、政府による国債発行と財政支出とは、日銀にある政府と民間金融機関の当座預金の間でおカネ(デジタルデータ)が動いているだけの話です。

ここで重要なのは、日銀当座預金は「貨幣」であっても「通貨」ではないということです。

世に流通してこそ、つまり誰かによって使われてこそ、はじめて貨幣は通貨(流通する貨幣)になります。

政府が使ってこそ、日銀当座預金という貨幣が通貨になります。

その意味で今の日本は、日銀当座預金という貨幣が余る一方で通貨が足りない、と言うことができます。

「PB黒字化目標の縛り…」とやらで、愚かにも政府が国債発行を躊躇しているがゆえに日銀当座預金が一方的に積み上がっています。
2020/11/27

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