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幼保無償化と租税

昨日、11月の消費者物価指数が発表されました。

生鮮食品を除く総合(コアCPI)で「0.5%」(前年同月比)、生鮮食品とエネルギーを除く総合(コアコアCPI)も同じく「0.5%」(前年同月比)でした。

下のグラフのとおり、前回の増税(5%→8%)の際には景気動向とは無関係に増税分がそのまま反映される強制的な物価上昇がみられましたが、今回(8%→10%)はまったくと言っていいほどに物価に変化がみらません。

消費者物価指数

むろんポイント還元、軽減税率、幼保無償化などの影響なのでしょうけれど、やはり増税による消費減退も大きいのではないでしょうか。

なにせ一昨年(2017年)の秋から景気は落ち込み続けています。

そこに消費に対する罰則である「消費税」が増税されたのですから、消費が減退して当然だと思います。

さて、意外に思われるかもしれませんが、そもそも租税の目的は「財源確保の手段ではない」ことをご存じでしょうか。

今回の消費税増税に伴う財源増によって幼保無償化などが具現化されたことから、あたかも租税が財源確保の手段であるかのように誤解されても仕方のないことなのですが、MMT(現代貨幣理論)はそれを完全否定しています。

では、何のために租税があるのか?

MMTは次の5つを挙げています。

1. インフレ率の調整
2. 景気の調整
3. 所得格差の調整
4. 政策税制(たばこ税や炭素税など)
5. 租税貨幣論

なるほど、インフレ率が上昇しすぎたとき(例えば5%以上)は、租税を課すことによってインフレ率を抑制することができます。

また、累進課税によって所得に格差(階級)ができないようにもできますし、
「喫煙者を増やさない」、あるいは「二酸化炭素を抑制したい」などの政策目的があった場合、罰則としての「租税」を課せばより効果的です。

因みに消費税は「国民の消費を抑制したい」という罰則税です。

租税の目的で、なによりも重要なのが5の「租税貨幣論」です。

これについてはまた別の機会に…

要するに、通貨発行権を有する政府は、租税を財源確保の手段とする必要はなく、財源確保以外の別の目的で国民に租税を課しているわけです。

政府は、それまで発行した通貨の量(需要)が国内の供給能力を大幅に上回ったとき(インフレ期)、租税によって市場から通貨を回収し需要を抑制し、逆に通貨の量(需要)が国内の供給能力を大幅に下回ったとき(デフレ期)、通貨を発行(支出を拡大)することで需要を創造します。

それが政府(中央銀行を含む)の役割です。

このとき、インフレ率が許す限りおいて、政府の通貨発行に上限はありません。

信じられないかもしれませんが、それが事実です。

だから幼保無償化のために、わざわざ消費税を課す必要などないのです。

皮肉なことに、幼保無償化によって保育士の不足が深刻化しています。

この件一つをとっても、大事なのはおカネ(租税)ではないことがよくわかります。
2019/12/21

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