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財務省に奪われた「道路特定財源」

小田急線ダイヤ改正

小田急電鉄が来年春のダイヤ改正で終電や始発の時刻を変更するとのことです。

「消費税増税&コロナ」恐慌に伴う採算悪化で、どうしても便数を減らさねばならないのでしょう。

さて、私の住む川崎市多摩区及び隣の麻生区では、小田急線は地上を走っています。

私はこれを連続立体交差化することを訴え続けています。

しかも連続立体交差化のみならず、小田急線と平行する道路・世田谷町田線(世田谷通り)の拡幅工事と小田急線の複々線化を一体的に整備する「一石三鳥案」を議会においても既に提示しています。

なぜなら、①小田急線の連続立体、②複々線化、③世田谷通りをそれぞれ個別に整備した場合、今の政治状況が続くかぎりにおいては、おそらく100年経っても何一つ整備されないからです。

なお、①②③の一石三鳥案を行うには、拡幅した世田谷通りの真下に地下2階建てのトンネルを掘る以外に方法はありません。

専門家を交えて調査した結果、物理的にも他の方法は不可能であることを確認しています。

とはいえ、逆に言えば政治的な環境さえ整えれば、①②③の一石三鳥案は実現可能であるということです。

政治的な環境とは、ずばり財源です。

ただそれだけ。

①②③の一石三鳥案でカネをだすのは、国と市と小田急電鉄の3主体です。(事業主体は川崎市)

負担割合からすれば、そのほとんどは国と市で出します。

小田急さんの負担は、複々線部分と、連続立体交差部分の1割程度だけです。

国の負担分は全て起債、市の負担分は90%が起債です。

起債といっても、国にしろ、市にしろ、そのほとんどが借り換え可能ですので、私に言わせれば大した財政負担ではありません。

むしろ経済効果(フロー効果とストック効果)のほうがはるかに大きい。

なのに… プライマリーバランスの黒字化というドグマに侵されていることから国(政府)は絶対にやろうとしない。

仮に川崎市がどんなにやる気を見せたところで、国(財務省)が予算をつけなければ実現不可能です。

ここが味噌で、「国」と言った場合、国土交通省ではなく、財務省なのです。

少し説明が必要ですが、意外に思われるかもしれませんが鉄道の連続立体交差事業というのは「道路事業」なんです。

道路事業を差配しているのはむろん国土交通省(旧建設省)なのですが、かつてあった「道路特定財源」は既に財務省に奪われてしまいました。

道路特定財源というのは、揮発油税、石油ガス税、自動車重量税の3税からあがる財源のことで、このうち揮発油税と石油ガス税(税収の2分の1)が道路整備緊急措置法のよる法定特定財源でした。

自動車重量税は政府内で使途を明確にせず運用することが可能な便利な財源で、国分税収(4分の3)の8割相当額を道路整備に当てることができました。

もしも、これらの財源が今も国土交通省にあったのなら、①②③の一石三鳥案実現の可能性はもっと高くなっていたはずです。

残念ながら、2001年4月に発足した小泉内閣は、この道路特定財源をネオリベ改革のターゲットにしました。

その後、2005年12月に小泉内閣のもと「道路特定財源の見直しに関する基本方針」が取りまとめられ、2009年に民主党政権下で道路特定財源のすべてが一般財源化されてしまいました。

道路特定財源が一般財源化され国土交通省から財務省に奪われてしまったことで、日本国中の道路整備が遅れるに至ったといっても過言ではないでしょう。

道路特定財源を復活しろ…とまでは言わないけれど、せめてプライマリーバランス黒字化目標だけでも破棄してもらいたい。
2020/11/06

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