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米国大統領選挙 〜 何が分断をもたらしたのか 〜

米国大統領選挙

他国のこととはいえ、やはり米国大統領選のゆくえが気になります。

きのうの夕方の段階では、まだ開票結果がでていないウイスコンシン州、ミシガン州、ペンシルベニア州などのラストベルト地帯の激戦州において、得票率でトランプ氏が優勢だったので「概ね勝負がついたのかな…」と思いきや、今朝のCNNの報道によれば、ウイスコンシン州とミシガン州でバイデン氏の勝利が確実になったとのこと。

こうなるとバイデン氏の優勢に対し、トランプ氏側が混乱混迷にもっていくためのあらゆる手段にうってでてくることになるのでしょう。

とりわけ、バイデン氏の勝利で政権交代すれば、米国の対外政策も転換されることになるでしょうから、日本をとりまく国際環境も大きく変化します。

例えば東アジアにおいては、もしも経済面での対中姿勢が緩和されることになればその影響は小さくありません。

軍事面においても、こんご中国の台湾政策が激化したときバイデン政権はどのように対処するのでしょうか。

その対処次第では、尖閣を含め我が国の安全保障環境に大きな影響を与えます。

ゆえに米国大統領選挙は他人事ではなく決着するまで目を離せません。

それにしても米国社会の「分断」は衝撃的です。

日本のメディアをみておりますと、トランプ氏が「分断」をもたらしている元凶のように報道していますが、それは違います。

米国社会の分断をもたらしたのは、グローバリズムです。

グローバリズムがもたらした「分断」の中からトランプ現象が出現したとみるべきではないでしょうか。

そこで私たち日本国民は今一度、グローバリズムとは何なのかについて再確認しておく必要があると思います。

グローバリズムの目的はグローバルに展開する投資家たちの利益最大化にあり、その手段は「国際分業」にあります。

まずは各国の政府が「小さな政府」と化し、国境を無くすことでヒト・モノ・カネの移動の自由を最大化する。

そして各民間企業が専門性を高め、グローバルサプライチェーンを構成することで企業の生産効率を最大化するわけです。

これらを可能にしたのが、一に市場開放政策であり、二に覇権国が主導する国際秩序であり、三にIT技術でした。

しかしこのようなグローバリズム体制下では、私たち消費者、あるいは企業は「在庫」を持とうとしません。

即ち、在庫コストを払うよりも、ジャストインタイムで生産し消費するほうが、企業・消費者ともに効率的です。

自宅に生活必需品などの物資をストックする必要はなく、欲しくなったらコンビニやスーパーに買いに行き、あるいはネットで注文すれば事足りたわけです。

そして川崎市役所などの行政もまた、グローバリズムの流れの中で「小さな政府」と化して人員削減や非正規職員への代替えを進めていきました。

ところが、今回のコロナ禍でも明らかになったとおり、国境を超えたヒトの移動が制限されればインバウンドに依存していた産業は大打撃を受け、企業のサプライチェーンが寸断されたことで生産停止に追い込まれた企業も多く、世界経済は大混乱に陥ったわけです。

典型的だったのが「マスク」の供給不足です。

コロナパンデミックにより、各国は慌ててマスクなどの必要物資を囲い込みに走りました。

消費者もまた慌てて買いだめに走ったことで流通が混乱し、行政は圧倒的な人手不足に陥り、市民からは「役所の対応が悪い…」みたいなクレームが殺到しました。

あのね…散々、職員を減らしまくったのですから、有事に人手が足らなくなるのは必然なんですよ。

平時おける効率の追求が、天災や疫病、紛争や戦争などの有事下では恐ろしいほどの「非効率」を発生させることを知るべきです。

平素には無駄に思えるものでも、危機の際には大いに役立つことがあるのですから。

そして何よりも、グローバリムは「国民」を分断しました。

例えば、富裕層と貧困層、若者と高齢者、都市に住むヒトと地方に住むヒト、働いて所得を得るヒトと資本収益で資産を増やすヒト、グローバリズムの恩恵を受けたヒトとグローバリズムで損害を受けたヒト、という分断です。

こうした分断の中から、反グローバリズムの旗振り役としてトランプ大統領が出現したのです。

もしも今回の選挙でトランプ氏が敗れることになったとすれば、トランプ氏が反グローバリズムの先鋭にはなれなかった、ということです。

トランプ氏以外に反グローバリズムの先鋭候補がいないことろに、現在の米国の危機があるのかもしれません。
2020/11/05

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