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中国が脅威なのではない。

台灣海峡の緊張が高まっています。

8月9日にアザー米厚生長官が台灣を訪問したことが中共には大きな刺激となったのか、その訪問中の直中に台灣海峡の中間線を中国空軍戦闘機が越境するなど中国軍の軍事演習が実施されました。

その後、「空母キラー」と呼ばれる中距離弾道ミサイル4発が大陸(浙江省あたり)から発射されたらしい。

9月18日にも米国のクラック国務次官が李登輝元総統の葬儀参列のために台灣を訪れましたが、やはり中共側の動きは早く13機の空軍戦闘機が中間線を越境しています。

一方、11月3日に予定されている米大統領選挙の結果次第で米国の国内政治の混迷が深まれば、その間隙をついて北京が台灣への軍事侵攻を決断するのではないか、という憶測もありますが、偶発的な衝突がないかぎり正面切っての米中武力衝突の可能性は極めて低いものと考えます。

ただ、北京は軍事力を背景に心理戦、情報戦、経済戦(貿易規制など)で台灣を締め上げていく可能性は十分に考えられます。

それに対し、台灣政府はもちろん、台灣国民がどこまで耐えられるかが勝敗の分かれ目かと思われます。

20年前に比べ、あきらかに中国軍は強くなっています。

その強くなった軍事力を背景とすることで、たしかに北京の国際政治を動かす力は強まりましたが、いたずらに「中国脅威論」を煽り立てるのもまた現実を見誤ります。

例えばメディアでは「米中新冷戦」などという表現が使われることがありますが、北京はかつてのソ連のような「世界を共産化してやろう」などという大それた意志をもっていません。

東アジアという極めて限定された地域のなかで少しだけ大それた意志をもっているだけです。

それに米中の軍事力の差は、未だ歴然と乖離しています。

仮に通常兵器ベースで米中決戦が行われた場合、米軍は中国本土を制圧する力をもっていますが、中国軍は米国本土を制圧する力をもっていません。

あるいは、中国の外貨準備高が世界で一番になったことをもって「中国は世界一の金持ち…」みたいに言う人たちもいますが、それも間違いです。

一番の外貨持ちが一番の金持ちではありません。

中国のような固定為替相場制の国では貿易黒字の分だけ為替介入をすることになりますので、貿易黒字額と等しい巨額の外貨準備が積み上がっていくことになります。

即ち、対米貿易で得た黒字が外貨として積み重なっているだけの話しです。

そもそも外貨準備は、自国通貨の為替レートの急変動を防ぎ、貿易などの国際取引を円滑にするために当局が保有するものです。

外貨準備のメリットは、自国通貨が暴落の危機に直面したときに自国通貨を買い支えることができるくらいで、それ以外にはほとんど使い道がありません。

国の金持ち具合を計る尺度は、外貨準備ではなく「対外純資産」です。

2019年時点で、日本の対外純資産は357.8兆円であるのに対し、中国のそれは221.5兆円です。

米ドル換算で比較すると、下のグラフのとおりになります。

まちがいなく我が日本国は、世界で一番の金持ち国です。

その世界で一番の金持ち国の政府が、先進国で最もおカネを使っていないことが大問題なのです。

中国が脅威なのではなく、カネを使わない日本政府が日本をダメにしているのです。

対外純資産
外貨準備高
2020/10/29

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