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正しき資本主義のかたち

将来推計人口

きのう(10月26日)国会では、菅総理の所信表明演説が行われました。

菅内閣では、有識者会議の一つだった「未来投資会議」が廃され、構造改革の権化みたいな竹中平蔵氏やデイビット・アトキンソン氏を加える形で「成長戦略会議」へと装い新たにしました。

要するに「成長戦略会議=構造改革会議」と言っていい。

きのうの所信表明演説には「構造改革」という言葉は無かったものの、「規制改革」という言葉が3回でてきました。

1つ目は「デジタル化をはじめ大胆な規制改革を実現し…」

2つ目は「規制改革などの政策を総動員し…」

3つ目は「悪しき前例主義を打破し、規制改革を全力で進めます…」

日本の有権者は「改革」という言葉に対してやたらと弱いが、総理の言う「規制改革」とは、即ち「規制緩和」もしくは「規制撤廃」のことです。

しかし規制緩和や規制撤廃という政策は、そもそもインフレ対策です。

日本経済はいつからインフレ経済に転じたのですか?

我が国経済は、消費税増税に伴う強制的な物価上昇を除き、この20年以上の間、インフレ率はゼロ%ペースです。

加えて、実質賃金は未だ下がり続いています。

物価と実質賃金の相乗的な縮小、これをデフレ経済と言わず何と言うのでしょうか。

長引くデフレ経済に「消費税増税不況」と「コロナ不況」が重なり、戦後最大の大恐慌に陥っているのが、もっか我が国政治の最重要課題です。

なのに…

残念ながら昨日の所信表明演説には「恐慌」という言葉もなく、「デフレ」という言葉すらなく、ひたすら「規制改革を進めます」だけが強調されていた点において極めて絶望的です。

資本主義とは、政府や企業や国民がリスクをとって資本と技術に投資することで成長する経済モデルのことです。

ところが、1997年の橋本内閣以降の緊縮財政によって、我が国経済は資本主義としては異常事態といえるデフレに陥りました。

デフレの国では、消費者がモノやサービスの購入を減らすために、企業は投資をしても儲からない状態が続きます。

儲からない環境下で、投資を決断する経営者などいません。

経営者が投資を決断するには2つの条件が必要です。

① 需要の拡大が見込めること
② 人手不足状態になっていること

本来、デフレの時期には人が余ります。

ところが、我が国では不幸中の幸いで少子高齢化が進み、生産年齢(15〜64歳)人口比率の低下により人手不足が深刻化しています。

ゆえに、②の条件は充たされています。

そして充たされていないのは、①です。

①を充たすために欠かすことができないのが、政府部門(地方行政を含む)による財政政策(財政支出の拡大)です。

例えば、上のグラフのとおり川崎市の将来推計人口をみても、生産年齢人口比率は着実に低下していきます。

しばしば議員の中には「今後は働く人が減っていくのだから、もうインフラ整備なんて要らない…」とか、「今後は働く人が減り税収が減っていくのだから、もっと財政は引き締めるべきだ…」とか言って無知をさらけ出して憚らないヒトもおられますが話はまったくの逆で、働き手が不足するからこそ資本と技術に投資しなければならないのです。

何度も言うとおり、デフレ期の今、資本と技術に投資し需要を創出できるのは政府部門だけです。

そしてデフレが脱却されれば、投資と消費の主体は民間部門に移っていきます。

やがてインフレ率がマイルドに上昇しはじめたとき、ようやく「いつ財政を引き締めるか」の議論が為されるべきなのです。

ゆえに菅内閣が早急に取り組むべきは、規制緩和ではなく財政支出の拡大(需要創出)によるデフレ脱却です。
2020/10/27

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