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緊縮派の論理は常に因果関係が逆

社会保障費

1997年12月5日、国会は「財政構造改革の推進に関する特別措置法」(以下、「財政改革法」と呼ぶ)を可決しました。

以来、法律に基づく強制的な緊縮財政がはじまり、日本経済はデフレという奈落の底に突き落とされ今に至っています。

因みに、財政改革法では…
・財政赤字対GDP比を毎年3%未満にすること(第4条)
・社会保障関係費の量的削減目標(第8条)
・公共事業の量的削減目標(第14条)
・防衛関係費の量的削減目標(第20条)
・主要食料関係費の量的削減目標(第24条)
…などが謳われています。

当時、財務省(大蔵省)は、この法律が必要な理由を次のように説明していました。

「今後、社会保障支出は否応なしに増えていく。ゆえに他の支出を削り、増税せねばならない…」と。

社会保障費とは、年金医療介護保険給付費、生活保護費、社会福祉費、保健衛生対策費、雇用労災対策費、年金給付費、医療給付費、介護給付費、少子化対策費、生活扶助等社会福祉費、社会保険費、失業対策費のことです。

ゆえに我が国では、財政改革法に基づき、これら社会保障費を除く全ての予算にマイナス・シーリングがかかるようになりました。

マイナス・シーリングとは、川崎市のような地方自治体もそうなのですが、予算を前年比で引き下げることです。

しかしながら…

我が国では1991年にいわゆるバブル経済が崩壊しましたが、バブル崩壊に加え、政府が緊縮財政を行うと100%の確率で経済はデフレ化します。

バブル崩壊以降、1997年まで日本の経済(GDP)が成長できたのは、政府がそれなりに歳出を拡大しつづけてくれたからですが、前述のとおり1997年の財政改革法の成立によって政府の財布の紐は閉じられ、日本経済は坂を転げ落ちるようにデフレ化していったのです。

デフレとは名目GDPが増えない経済状況を指しますが、2000年以降、まったく名目GDPが増えていないのは先進諸国のなかで唯一、日本だけです。

さて、GDP(国民経済)とは…
①民間最終消費支出
②政府最終消費支出
③民間設備投資
④住宅投資
⑤公的固定資本形成(公共投資)
⑥純輸出
⑦在庫変動
…の合計です。

つまり国民経済は、民間部門+公的部門+海外部門がそれぞれにおカネを使うことで成り立っています。

このうち海外部門は外需に属し、民間部門と公的部門が内需に属します。

例えば、構造改革を進めた小泉内閣時代、そこそこ日本経済が好調だったのは米国の住宅バブルで外需が伸びたからです。

しかし内需はデフレ化していましたので、ながく低迷したままでした。

今もってなお、内需は低迷しています。

そりゃそうですよね、民間部門ほか、公的部門(政府や地方行政)までもが緊縮しているわけですから。

ただ、政府支出(一般歳出)のなかで、唯一、マイナス・シーリングの対象外となった社会保障費だけは伸びてきました。

これを理由に財務省は緊縮財政の正当性を主張していますが、話は逆です。

政府による緊縮財政が我が国の経済成長を阻み、なおかつ医療現場や介護現場を含め国内の生産リソースの縮減圧力となって、そのことが政府の通貨発行能力(財政支出拡大能力)を低下させてきました。

なおかつ、デフレで内需が低迷しつつも、社会保障費の伸びがむしろ日本の内需を下支えしたきたのです。

即ち、社会保障費が伸びなかったら、日本経済はもっとデフレ化していたことでしょう。

社会保障費の伸びは僥倖だったわけです。

緊縮財政派たちの論理は、常に因果関係が逆になっています。
2020/10/22

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