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自然の恵みと脅威

年間降水量

朝7時現在、台風14号は四国沖を北へ進み、次第に進路を東寄りに変えて西日本や東日本に近づきつつ勢力を維持しています。

気象庁によれば、北上に伴って風が強くなり、大雨になるおそれがあるとのことです。

今年もまた、多くの国民が河川の氾濫や土砂災害に怯えねばなりません。

ふだん、あまり意識しないかもしれませんが、日本の国土は世界の中でも極めて特異です。

まず何よりも「雨」や「雪」が多いこと。

四方を海に囲まれているため、大気には水蒸気が多く含まれ、よく雨が降ります。

その上、梅雨前線、台風、秋雨前線によって、さらに雨量が増加します。

結果、日本の年間降水量は1,700ミリ前後となっており、これは世界平均の約2倍です。

また、やたらと山が多く、平地が極めて少なく狭い。

山と丘陵地が国土の約7割を占めていますが、フランス、ドイツ、イギリスでは、標高500メートル未満の平地が広大に広がっています。

そのため、フランスの首都パリと大都市リヨンを結ぶ新幹線では、東京・大阪間とほぼ同じ距離の390キロの中にトンネルは一つもありません。

日本で新幹線を通そうとすれば、山を貫くために無数のトンネルを掘らなければなりません。

ゆえに細長い国土を縦に貫く2000メートル級の脊梁山脈から狭い平地にむけて無数の川が流れているわけですが、明治時代に来日したオランダ人技師が「日本の川は川ではない。滝だ」と言ったとおり、日本列島を縦横無尽に走る川のほとんどはヨーロッパやアメリカの川と異なって急峻で流速も早い。

要するに、私たち日本国民は恵まれた自然環境とともに厳しい国土の中に暮らしているわけです。

「自然のままが良い」と言って少しでも国土への働きかけを怠れば、次の瞬間、その自然に我々の暮らしや命を奪われることになります。

去る7月4日、熊本県では川辺川ダムが建設されなかったために球磨川が氾濫しました。

因みに蒲島県知事は、「球磨川の恵みや風景を守りたい」「ダムに頼らない治水を実現したい」と言って川辺川ダムの建設に反対してきた人です。

日本三大急流の一つに数えられる球磨川が通り、台風の通り道でもあり、360度山に囲まれ四方から水が流れ込む人吉盆地において「ダムに頼らない治水」を実現するのは、簡単なことではありません。

事実、有効な治水対策をできなかったために、球磨川はあっけなく氾濫し、死者82人、全壊から床上浸水まで被害を受けた住屋は2万件弱という被害を出すことになりました。

「ダムに頼らない治水を実現したい」という為政者の綺麗事により、82名の人たちが命を落とされたのです。

綺麗事は、ときに人を殺すのです。

ふだん、自然の脅威を意識せずに暮らせるのは、先人たちがダムや堤防といった必要不可欠かつ重要なインフラを整備していくれたからにほかなりません。

先人たちが造り上げてくれたインフラという資産を我々の代がさらに充実させ後世に受け継ぐのか、それとも、先人の資産を食いつぶすだけ食いつぶし、後世の人たちが自然災害にいつ命を奪われるともわからない状態の国土を遺すのか…まさに今、日本国民はその分岐点に立たされています。

この週末、治水ダムが一つも整備されていない多摩川流域に住んでいる川崎市民もまた、氾濫の恐怖に怯えねばなりません。

治水事業費
2020/10/09

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