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地方財政制度にも「マクロ経済スライド」を!

内閣府から8月の景気動向指数が発表されました。

景気の現状を示す「一致指数」(2015年=100)は、79.4となり、僅かながらにも3か月連続で上昇したことから、内閣府は景気判断を「悪化」から「下げ止まり」へと上方修正しました。

とはいえ、はたして「下げ止まった…」と言い切れるかどうか。

2018年秋から既に落ち込み続けている日本経済は、消費税増税(8%→10%)とコロナ・ショックによってリーマン・ショック級にさらに景気が落ち込みました。

さすがに「人の命よりも財政が大事…」とは言えないことから、政府は補正予算を編成(第一次補正予算で25兆6,914億円、第二補正予算で31兆9,1140億円)し景気を下支えした格好です。

もしも「財政の健全化…」を理由に補正が組まれなかったら、と思うと空恐ろしい。

さて、本市においては、来年度は税収の落ち込みが予想されます。

当然のことながら、財政力が政令指定都市でNo.1の川崎市であっても、もさすがに地方交付税交付金の交付団体になる可能性があります。

それを「川崎市が交付団体に転落!」とアホみたいな記事を書く新聞社もありますが、本市の財政局をなめんなよ!

本市は、あのリーマン・ショック不況の際でも、平然と容赦なくプライマリー・バランス(基礎的財政収支)を黒字化した自治体です。

むろん、そのことは正しい貨幣観からいえば、まったく自慢にはなりません。

むしろ害悪です。

行政部門の赤字が民間部門の黒字を形成し、行政部門の黒字が民間部門の赤字を形成するのですから、川崎市はリーマン不況で苦しむ民間部門をさらなる赤字に追い込んだことになります。

ただ、現在の地方行政制度では、制度的にも法的にも自治体は絶対に赤字を出すことができないスキームになっています。(地方自治法、地方財政法、地方財政健全化法など)

私は、ここに最大の問題があると考えます。

そこで一案ですが…

年金制度に「マクロ経済スライド」という制度があるように、経済情勢に応じて地方自治体の財政に対しても、例えば実質収支比率を〇〇%まで赤字化してもよい、という調整制度があっていいのではないでしょうか。

具体的には、①インフレ率、②実質賃金、③金利、④失業率などの一定の指標基準を根拠にして、日本経済が明らかにデフレ化しているときには、政府は「マクロ経済スライド」を宣言し自治体に赤字財政を促し、そしてデフレを脱却しインフレに転じたら「マクロ経済スライド」を解除して、来年度からは収支を均衡させなさい、と各自治体にお触れを出せばいい。

下の図のとおり、国と地方の予算配分(税配分)をみると、国家予算の約7割は地方自治体を経由して支出されています。

国・地方の税配分

税を徴収するときは、国が6割、地方が4割の割合で徴収しますが、歳出の段階では、国が3割、地方が7割の割合で支出されます。

国家予算の約7割の支出をする全国の地方自治体が常にプライマリー・バランスの黒字化を絶対視していることは、経済情勢に応じて財政赤字を調整するという「機能的財政」に反します。

因みに、政令指定都市の首長らで構成する指定都市市長会は、現在の「国7:地方3」の税配分を「国3:地方7」に変更するように国に対して税財源移譲を求めていますが、私はそのような中央政府弱体化構想には与しません。

そんなことより、政府支出を拡大して地方交付税交付金制度を拡充するほうが重要であると考えます。
2020/10/08

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