ブログ

HOME» ブログ »療養病床は救急医療から在宅医療への中継機能

ブログ

療養病床は救急医療から在宅医療への中継機能

私は地域医療の充実にむけ、「高度な療養病床」「在宅医療」「救急医療」を一体的に整備充実させていくことが何よりも必要だと考えております。

なぜなら…

まず、「高度な療養病床」の充実がなければ「救急医療」を充実させることは不可能です。

高度な療養病床は、救急医療の現場から自宅での療養(在宅医療)につなげる大切な受け皿的機能および中継的機能を果たしていますし、また「在宅医療」の充実は、療養病床での治療を必要とするヒトが療養病床に入れなくなることを防ぐだけではなく、誰もができるかぎり住み慣れた自分の家で過ごしたいという人間本来の願いを叶えるものでもあります。

なお、ここでいう高度な療養病床とは、人工呼吸器や人口透析などを備えた療養病床のことです。

残念ながら、私の住む川崎北部医療圏(多摩区、麻生区、高津区、宮前区)は、療養病床が圧倒的に不足している医療圏です。

療養病床稼働率

療養病床の不足は、現場に到着した救急車の「受け入れ病院の選定時間」に負荷をかけ、現場滞在時間を長くしてしまうことの遠因ともなっていますし、あまつさえ医学的管理を必要とする長期療養患者さんの行き場を奪っています。

といって、国はプライマリー・バランス(基礎的財政収支)の黒字化という馬鹿げた財政思想(緊縮財政)を理由にして、さらなる病床の削減を目指しており、今後、療養病床が増える見込みはまったくありません。

こうした政治的な制約のなかで、高度な療養病床、在宅医療、救急医療のバランスを図りつつ、地域医療を充実していかなければならないわけです。

そこで、まことに手前味噌な話で恐縮ですが…

今から10年前(2010年)の12月議会において次の2点について本市当局に対し提案させて頂きました。

① 在宅における医療、療養、介護、訪問介護を統括す所管課の新設すること

② 既存の地域医療審議会の下に在宅医療推進検討部会のような機関をつくって、医師会や病院を行政がリードすることによって在宅医療の充実を図っていくべきこと

その後、本市の健康福祉局に新設されたのが①「地域ケア推進担当」であり、②「在宅療養推進協議会」です。

①の「地域ケア推進担当」は、当初は長寿社会部の下に置かれていましたが、今では「地域包括ケア推進室」として格上げされ独立した部署となっています。

②の「在宅療養推進協議会」については、例えば在宅医療に関わる医療福祉従事者の顔の見える関係づくり、即ち在宅医療に関わる相談員を配置するなどして、包括支援センターや介護支援専門員などからの医療的な個別相談を担える体制を整えてきました。

また、医療と介護の円滑な連携を図るために在宅医療を担う人材の育成も進めています。

例えば、在宅医療に関わる医療・介護従事者に対して「在宅チーム医療を担う地域リーダー研修」を実施するなどして、これまでに6年間で926名の皆様に受講して頂いています。

あるいは直近では、市内各病院の入退院支援窓口等の情報を集約したり、入退院支援に関する基本的な流れや事例等をまとめ、関係者に研修等で活用して頂くための『川崎市入退院支援ガイドブック』」の作成なども行っています。

今後は、そうしたガイドブック等の成果物の具体的な活用方法についての議論を進め、例えば関係団体の研修等でそれを使用して頂くなども検討しているようです。

何よりも、入退院支援の円滑化に向け関係者の相互理解を深めて頂き、その連携体制を強化していくことが必要かと思われます。

といって、前述したとおり国による緊縮財政などもあって、極めて制約されたリソース(ヒト、モノ、カネ)の中で手探りするように進められているのが実情ですので、必ずしも入退院支援が理想的に円滑化しているわけではありません。

中には、いたずらに行政を罵るヒトもおられますが、現場を預かる地方自治体もまた様々な障壁を乗り越えながら僅かながらにも前に進もうとしているのも事実です。

療養病床
2020/09/30

ブログ

セミナー

BLOG

議会報告書

メディア掲載

プロフィール