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高齢社会のコストも、国防力の増強も、新たな需要だ!

中国の外貨準備高

今から2年前、米国ダートマス大学の政治学者であるジュニファー・リンド氏は、日本に対して次のように警鐘を鳴らしていました。

「そう遠くない将来、中国が米国に代わって東アジアの経済・軍事・政治を支配する覇権国になるだろうが、日本は効果的な対応策をとらないかもしれない…」と。

リンド氏は「地域覇権国は近隣諸国の内政にかなり干渉することは歴史が教えている」とした上で、中国に対抗できるポテンシャルをもつ唯一の国は日本なのだが、残念ながら日本は、①軍備増強には懐疑的で、②経済停滞と高齢社会のコストを懸念しているだけで、引き続き「銃よりもパンを優先する決断をするかもしれない」と述べていました。

たしかに、これまで覇権国として世界の警察官を担ってきた米国の退潮と、新たな地域覇権国となりつつある中国の経済・軍事両面での台頭との狭間にあって、未だ我が国はデフレ経済(国民貧困化経済)という停頓の中にあります。

とはいえ、氏の「銃よりもパンを優先する決断をするかもしれない」は的を射ていません。

なぜなら「銃」(国防)が優先されていないのは事実ですが、今や「パン」(経済)すらも優先されていないからです。

しかも「高齢社会のコスト」という脅迫観念から、財政支出の拡大という正しい経済財政政策が阻まれているのが実情です。

そもそも中国をアジアの地域覇権国に押し上げたのは誰か。

2001年に中国をWTO(世界貿易機構)に加盟させた張本人は米国であり、それこそが中国を地域覇権国にした元凶だったと思います。

「中国を自由貿易圏に引き入れ、その“利”を食らわせてやれば、やがては経済的な相互依存が高まり、米国様に歯向かうことはない…」という戦略目標をたて、中国をWTOに加盟させたのでしょうが結果はそのようにはなりませんでした。

中国は2001年のWTO加盟以降に蓄えた“利”で軍事力を増強し、陸と海のシルクロードを確保支配するという壮大な国家戦略を示し、今や南シナ海や東シナ海から米軍を排除(アクセス拒否)しようとすらしています。

上記のグラフのとおり、2001年のWTO加盟以降、中国は自由貿易の利で経常収支を黒字化し、飛躍的に外貨準備を積み上げてきました。

その意味で、我が日本は米国の対中戦略の失敗のツケを支払わされていると言っても過言ではないと思います。

ただ、我が国は1990年代から一貫して「構造改革」なる馬鹿げた新自由主義政策を遂行してきたことで、20年以上にわたってデフレ経済の中にあり、あまつさえプライマリーバラナスの黒字化という、これまた馬鹿げた財政政策を採用してきたことで中国との軍事力の差が歴然と開いてしまったのです。

その意味で国政を預かってきた歴代内閣と国会議員たちの罪は何よりも大きい。

むろん、その失政を咎めてこなかった日本国民の責任もけっして小さくはありません。

ゆえに、そうした反省を踏まえ、私たち日本国民は今後の政治(政策)を大きく転換していくべきだと思います。

高齢社会のコストも、国防力の増強も、あるいは災害対策のためのインフラ整備なども、これらすべてを新たな「需要」を捉え、それを政府支出の拡大によって有効需要としていくことがまさに経済(国力)の立て直しです。

リンド氏が言うような国家としてのポテンシャルはもはや喪失していますが、今からでもやるしかない。
2020/09/29

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