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破綻しているのは「財政破綻論」

きのう(9月25日)、日本経済新聞が「国内債券市場で長期金利が上昇した!」と大仰な見出しをつけていたので、いったい何%上昇したのかと思って見てみたら、新発10年国債の利回りが「前日に比べ0.005%高い0.010%になった」とのことでした。

「・・・」

ほとんど顕微鏡でみないと確認できないほどの数字です。

デフレで苦しむ現在の日本経済下では、0.005%の上昇ですら横行なニュースになってしまうということなのでしょうか。

財政破綻論者たちによれば「国(政府)が国債を発行しすぎると長期金利(10年物国債等の金利)が跳ね上がって国家財政が破綻するぅ〜」とのことでしたが、コロナ対応等で大量に国債が発行されたにもかかわらず、彼ら彼女らの言う「金利急騰」は起きず、前述のとおり未だ0.010%という超超低金利です。

申し訳ないけれど、0.005%程度の上昇では「跳ね上がる…」とは言い難い。

いったいいつになったら「跳ね上がる」のか?

なかには、「今は、日銀が国債を買いまくっているから金利が低下しているけだ…」と詰まらぬ言い訳をする人たちもいます。

このような稚拙な言い訳にいちいち反論するのも時間の無駄かもしれませんが…

いわゆる黒田バズーカ(異次元緩和)と言われる「量的緩和(日銀による市中国債の買取り)」がはじまったのは平成25(2013)年の5月です。

以来、日銀当座預金は今年8月末時点で6.8倍に増えました。(日銀が市中国債を買うと、民間銀行が日銀にもつ当座預金におカネが積み上がる)

日銀当座預金

では、黒田バズーカ(量的緩和)以前の国債金利、即ち日銀が国債を買いまくっていない時期の国債金利は上昇していたのでしょうか?

そこで、平成25(2013)年以前の10年物国債利回りの推移をグラフ化してみました。

10年物国債金利

上のグラフをご覧のとおり、そもそも量的緩和以前(2013年以前)から国債金利は低下しています。

それに、「日銀が国債を買いまくっているから金利が低下している」と言うのであれば、もしも日銀が量的緩和を終了したら、すぐさま金利が上昇するってことですよね。

断言しますが、もしも日銀が量的緩和を止めたとしても長期金利は急騰しません。

なにしろ金利低下の最大要因はデフレなのですから。

日本経済がデフレから脱却し、インフレ率が一定程度上昇しだしたとき、ようやく長期金利も上昇することになります。

ゆえに、長期金利のマイルドな上昇はむしろ喜ばしいことであって、忌避されるべきものではありません。

長期金利の上昇を恐れるということは、景気の回復を恐れるのと同じです。

たしかに日銀が国債を購入することで国債の価値が上がっているのも事実でしょう。

でもそれって、日本政府の財政破綻(デフォルト)があり得ないことの証明ですよね。

このように、財政破綻論そのものが既に破綻しています。

要するに、デフレになるほどの国内生産力をもち、自国通貨建てで国債を発行できる国においては、政府の国債発行(通貨発行)に制限はないのです。

むろん、インフレ率が許す限り。

問題は、どんなに量的緩和を行い日銀当座預金を積み上げたところで、それを借りて使ってくれる経済主体の存在がなければデフレは脱却できないということです。

その経済主体こそが政府です。

皮肉にも、政府の財政支出の拡大を妨げているのが、亡霊のごとき「財政破綻論」なのですから実にたちの悪い話です。
2020/09/26

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