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現実を見ようとしない政治

今ある生産要素(資本・労働投・全要素生産性)によって、現時点での生産可能な供給能力を示す数値を潜在GDPといいます。

潜在GDPは、需給ギャップや潜在成長率の推計に使われています。

かつては最大限に発揮できる供給能力を潜在GDPとしていましたが、小泉政権時代に「過去の供給能力の平均値」をもって潜在GDPとするように定義が変更されてしまいました。

最大概念と平均概念とでは天と地ほどの差が出てしまうことになります。

例えば、失業率が5%、10%、20%と跳ね上がろうが、実質消費支出がマイナスで推移しようが、その経済状態が継続されれば、それは最終的に平均となってしまいます。

きのうのブログでも申し上げましたとおり、平均概念の潜在GDPでは、実際のGDP成長率が低下すればするほどに潜在GDPも後を追うようにして低下していきますので、実に馬鹿げています。

本来、デフレギャップは数値化できても、インフレギャップは数値化できないはずです。

例えば、今回のコロナ禍でマスクが不足しました。

つまり、マスクの需給ギャップが逼迫したわけです。

即ち、マスクに関してはインフレギャップになったわけですが、といってその需給ギャップを数値化するのは絶対に不可能です。

なぜなら、生産されていないものを購入することは物理的に不可能だからです。

しかしながら、このへんてこりんな「平均概念」の導入によって、なぜかインフレギャップが計算可能になってしました。

内閣府のGDPギャップ統計をみると、下のグラフのとおり、なぜかインフレギャップが数値化されています。

需給ギャップ

だいたいからして、インフレ率ゼロ%で実質賃金が下がり続けている今の日本経済がインフレギャップであろうはずがありません。

「統計詐欺」とまでは言いませんが、統計要素の定義を恣意的に変更し、現実の経済情勢を現実としてみようとしないのはやはり有害です。

なにしろ、正しい政策立案を困難にしますので。

それに、熱が40度もある子どもに「3年前から発熱の定義が変更されて40度は平熱になったのよ」なんて言う親がいますか?

古代ローマ帝国の英雄・カエサルは次のように述べています。

「多くの人は、自分が見たいと思う現実しか見ようとしない」
2020/09/21

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